リハパン(リハビリパンツ)とおむつの違い


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リハパン(リハビリパンツ)とおむつの違い

リハパンとは

通称リハビリパンツと言います。
紙の素材で出来ていて陰部の部分は尿を吸収するため厚く構成されています。

一般的に排尿コントロールをして布パンツを使用するためのリハビリに使用するためのリハビリパンツが略してリハパンと言われます。

赤ちゃんが脱おむつから普通の布パンツにいたるまで使用するトレーニングパンツと役割が似ていて、トレーニングパンツの大人バージョンという感じです。

リハビリパンツを取り扱っているおむつメーカーは多数あり、各メーカーによってリハビリ初期の頃に使用する厚めのタイプや、リハビリの最終段階で使用する薄めのタイプ、サイズも一般的なL、M、Sサイズの外に、最近ではより詳細に区分されていてLLやSSまであるので、体型に合わせて個別に選びやすくなっています。

使用する際にはリハビリ初期の尿失禁の頻度が高い時期にはパットと併用して使用しますが、尿失禁の頻度が低くなるリハビリ最終段階ではリハビリパンツ単体で使用するようになります。

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おむつ(介護用)とは

リハビリパンツが履くタイプなのに対して、おむつは包み込んでテープで止める形になっていて基本的にはパットと併用して使用し、一般的に寝たきりの方を対象とした形になっています。

サイズは基本のL,M、Sに加えて大きめMや小さめMといった使用頻度の高いMサイズを基準として一回り大きめや、小さめのものもあり個別に合わせやすくなっているものもあります。

また最近ではおむつ自体の改良も進んできており、陰部に当たる部分が盛り上げてあって陰部とおむつの隙間を埋めて尿が漏れにくくなるようにしてあるものや、マジックテープの長さを長くして固定力を強くしてどのような体型の方にも安定した固定力を発揮できるように工夫してあるものもあります。


使用する利用者のADLの違い

リハビリパンツとおむつは基本的に利用者さんのADLによって使い分けます。
ADLとは日常生活動作のことでActivities of Daily Living の頭文字を取ったものです。

主に食事、更衣、移動、排泄、整容、入浴等の生活をする上での基本的な行動のことをいいます。

介護をする上ではこのADLを考えて対応しますが、大きく簡単に区別すると寝たきりの方はおむつで対応し、トイレに行ける方はリハビリパンツを使用するというように分けられます。


⇒トイレ誘導での排泄からオムツへの移行の判断基準

ADL別にみるリハビリパンツの使用対象者

自力でトイレに行くことができるが、時々尿漏れのある方

自力歩行でトイレに行くことができて、排尿感覚もあり正常に判断できますが、時々尿を漏らしてしまう状態の方です。

このような状態の方は場合によっては布パンツにナプキンを使用したり、小さいパットのみを使用しても大丈夫ですが、それだけでは不安な場合、あるいはそうなるまでのリハビリとしてリハビリパンツを使用します。

排尿感覚があるが自力でトイレに行けない方

排尿感覚があり正常な判断ができますが、歩行不安定であり介助者の付き添いが必要であったり、車椅子での介助が必要な方の場合。

排尿感覚はあるのですが、自力でトイレに行くことができないために間に合わない可能性が高くなります。このような状態の方もリハビリパンツを使用してトイレに間に合わなかった場合に対処します。


自力歩行や車椅子にてトイレに行くことができるが排尿感覚がない方

自力歩行が可能で身体的にはトイレに行くことが可能であっても認知症等により排尿感覚が無い方や、トイレに行くということが理解できない方も度々尿失禁をするためにリハビリパンツの対象になります。

リハビリ目的

例えば脳梗塞の後遺症で片麻痺を患った場合、最初は寝たきりの状態になるためおむつにて対応しますが、一定の期間が経過してリハビリや、装具や車椅子等の補助具を使用してADLが回復してくると、おむつからリハビリパンツに変更して対応します。


ADL別にみるオムツ対象者

状態の悪化場合

元々自立していて布パンツを使用していた方が脳梗塞等、突然重度の病気になり寝たきりの状態になるとおむつを使用します。

また年齢を重ねて徐々にADLが低下していく場合、排尿感覚があり意識がしっかりしていたとしても下肢筋力の低下から立位が保てなくなると安全性を考えてリハビリパンツからオムツに変更して対応します。


まとめ

基本的に寝たきりの方はおむつを使用して排泄介助をしてもらいます。

一方リハビリパンツ使用対象者は多岐にわたります。
一般的に自力にてトイレに行ける方を対象とし自分でパンツをはける能力のある方が使用するイメージです。

ただし、おむつにしてもリハビリパンツにしても、介助する側が使うタイミングや、判断を誤ると利用者さんの自力排尿能力を阻害してしまう恐れがあります。

ADLはどのような状態か、排尿感覚はあるか、日中の排尿頻度はどの程度か、認知症の程度はどのくらいか、ポータブルトイレや尿器を使用することで代替えは可能か等、判断基準もその利用者によって着目する点はたくさんあります。

介助する側が対象となる利用者さんをよく観察し、その方に適したタイミングと選択をして、どのようにしたら安心して排泄できるのか判断することが大切です。

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