高齢者の食事介助の注意点


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高齢者の食事介助の注意点
食事の介助を必要とする高齢者の場合、注意しなければならない点が沢山あります。美味しくご飯を食べてもらうためには、味付けや食材の切り方だけではなく、食事中の姿勢から口に運ぶタイミングなど、細かな気配りも必要になってきます。

高齢者が安全に美味しく食事が出来るよう、介助しなければなりません。

高齢者は、年齢を重ねる事に歯が少なくなり、喉の筋力が衰えます。そのため、食事をする事が困難になってきます。食材を細かくカットし、やわらかく調理するなど、高齢者の状態に合わせた調理法が必要となってきます。

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また、嗜好が変わり、薄味を好む様になったりもします。更に、食事の際の姿勢も重要となってきます。食べ物が喉に詰まったり、気管に入らない様、安全な姿勢を心掛けなければなりません。

準備するものは、介助用器具(箸・スプーン・フォーク・吸飲み)・滑り止めマット・エプロン・タオル(ティッシュペーパー)・必要であれば義歯などになります。

食事をする場合、必ずしもテーブルまで移動できるとは限りません。ベッド上での食事の場合もあります。食事のセッティングをする前に、必ず身の回りを綺麗にし、衛生的で安全に食事が出来る様にします。


食事介助の前に

1.食事の準備をする事を高齢者に伝えます。
2.排泄の有無を確認し、手洗いを済ませます。
3.テーブルに滑り止めマットを敷き、介助用器具・タオルを並べます。
※高齢者または、介護者が取り易い様に並べます。
4.エプロン・義歯は直ぐに出来る様に置いておきます。
5.高齢者を移動する場合は、移動します。
※移動する場合は、どこに移動するかの声掛けをします。


椅子(車椅子も同様)での食事介助の姿勢

高齢者が椅子に座ったら、足を床に下ろしてあげます。若干、前のめりの姿勢にし、重心が前に来るようにしてあげます。

この時、背部や腰部・頭など必要な部分にクッションなどを入れて支えを作ります。

これは、椅子から身体がずり落ちるのを防ぐためですが、完全に防げるものではありません。姿勢や状態を確認しながら食事介助を行います。


ベッドでの食事介助の姿勢

ベッドをギャッジアップし、椅子の様な背もたれを作ります。
高齢者の状態に合わせた角度にします。

通常は90度が理想的な角度ですが、麻痺や拘縮がある場合は30度にしてあげます。
なるべく高齢者が苦痛を感じない角度にしてあげます。


食事介助の手順

注:何をするかの声掛けを随時行います。
自力:自分で出来る高齢者の場合

1.食事をする場所で、安全に食事が出来る体勢にし、エプロンをします。
2.食事を滑り止めマットの上に置きます。
3.吸飲みで水分を運び、うがいをしてもらいます。
※口の中を湿らせ・すっきりさせるのと、口の中に物が無いかの確認のためです。
自力:湯のみなどに水分を用意し、うがいをしてもらいます。
4.食事は水分から先に運びます。
※誤嚥の有無の確認のためと、胃酸の分泌を良くするためです。
自力:水分から摂取する事を進めます。
5.主食・副食・水分を交互に口へ運びます。
※温度・大きさ・量に気を付けます。
※口へ運ぶ時は、飲み込んだ事を確認しながらタイミングを見ます。
自力:大きさ・量を観察します。
6.食事終了後、摂取量を確認し、下膳します。
7.口腔ケアをします。
自力:自分で歯磨きをしてもらった後、口の中を確認します。
8.落ち着いて休める体勢にしてあげます。
※逆流防止のため、直ぐに横にするのは相応しくありません。


口腔ケアについて

準備するもの…歯ブラシ・ガーゼ・お茶(イソジンガーグル)など

高齢者にうがいをしてもらい、介護者は、自分の指に湿らせたガーゼを巻き、高齢者の口内の汚れを拭き取ります。寝たままの状態で行う場合は、顎を引いた状態で行うと誤嚥防止になります。



また、歯ブラシを使用する場合は、力の入れすぎに注意しましょう。触れているのが分かる程度の力で十分磨くことができます。義歯の場合も、歯ブラシで磨くことを忘れないで下さい。

※お茶を使用するのは殺菌作用があり、刺激が少ないためです

食事介助の注意点・観察事項を以下に挙げておきます。

・必ず声を掛けながら口に運ぶ様に心掛けます
・食事の温度が適温か、大きさ・量は丁度良いか確認します
・誤嚥がないか、顔色・息使いなどを観察します
・食事の摂取量やペースを観察します
注:普段と違う様であれば、その後の体調に注意しましょう
・食事後の様子を観察します
注:嘔吐・便秘になっていないかなど、体調の変化に注意しましょう
・自分で動ける高齢者の場合はなるべく手を貸さず、良く観察をしましょう。

食事は、人間の三大欲求の一つ”食欲”です。いかに美味しく摂れるかが重要になってきます。しかし、高齢になるにつれ、様々な障害がでてきますので、それを介護者が手助けしてあげなければなりません。

食事は毎日の事です。上記にあげた手順・注意点・観察点を十分に理解することで、衛生的で安全な環境を作り、高齢者のペースに合わせた、満足いく美味しい食事を提供する事ができるのです。

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