入れ歯(義歯)の入れ方とお手入れ方法


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入れ歯(義歯)の入れ方とお手入れ方法
高齢になると、身体だけではなく歯や歯茎も衰えます。

歯や歯茎が衰える事で、食事をする時や会話をする時に苦痛になったり、身体にも影響を及ぼします。

食事を噛み砕くことができなければ内臓にも負担を掛け、更に顎の力が弱くなる事で、飲む込む筋力が衰え、嚥下障害を引き起こし兼ねません。

入れ歯(義歯)を使用する場合は、しっかりと歯茎に合った物を使用しなければなりません。昔から使用していたとしても、何らかの原因で合わなくなる事もあります。

定期的に検診を受ける事が大切です。また口腔内は、雑菌の繁殖が多い場所でもあるため、正しいお手入れが重要になります。

入れ歯(義歯)は、正しく装着しなければなりません。

正しく装着できていなければ、不快感が増すだけでは無く、痛みを伴う場合もあります。被介護者が不快感を訴えた場合、入れ歯(義歯)が正しく装着されているか確認しましょう。

中には、自ら外してしまい適当に入れてしまっている場合もあります。

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入れ歯(義歯)の正しい入れ方

入れ歯(義歯)を入れる際、被介護者の口の中に何も無い事を確認します。
綺麗に洗浄した入れ歯(義歯)は、水で濡らしてから使用します。

注:装着する時は、上側から入れましょう(外す時は、下側からです)

1.被介護者に入れ歯(義歯)を入れる事を伝え、うがいをしてもらいます。
※口の中を潤わす事で、入れ歯(義歯)がはまりやすくなります。
2.口を開いて貰い、介護者(ヘルパー・ご家族)は左人差し指で口角を広げてあげます。
3.右手に入れ歯(義歯)を持ち、口の中に入れます。
4.入れ歯(義歯)を斜めにし、左の奥歯にあたる部分からはめ込んでいきます。
5.しっかりはまっているのかを確認します。
※会話中・食事中を良く観察します。

空気が入っていると、入れ歯(義歯)と粘膜との間に隙間ができ外れやすくなります。(食べカスが挟まったり、会話の途中に外れたりと不快に感じられます)

表面を濡らし、斜めにはめる事によって空気を押し出し、ピッタリとはまります。
※必要に応じて、入れ歯安定剤を使用します
※吸盤を使用する時の原理と同じだと考えると分り易いかと思います

また、入れ歯が合っていないと外れやすく、噛み合わせが悪くなりますので、装着後の被介護者の状態を良く観察しましょう。

入れ歯(義歯)を正しく装着する事で、噛み合わせが良くなり、食物を細かく噛み砕く事が可能になります。

食事を美味しく摂取する事ができる様になり、栄養の吸収も良くなります。

また、入れ歯(義歯)を装着せずに過ごすと、顎の筋力が衰えるだけでは無く、顔の形や表情も変わってきます。見た目に自信が無くなるなどの、精神的負担を軽減するためにも、入れ歯(義歯)の使用は必要です。


入れ歯(義歯)のお手入れ方法

歯磨き同様、入れ歯(義歯)も清潔に保つ事が大切です。
虫歯予防は必要ありませんが、自分の歯と違い浄化作用が無いため、歯と歯の間・歯茎との隙間に汚れがたまりやすくなります。

そのため、菌の繁殖が増加します。特に、カビの一種であるカンジタ菌の繁殖が多くみられます。カンジタ菌は入れ歯(義歯)を好みますので、予防する目的でも清潔に保ちましょう。

毎食後は、外して水で軽くすすぐ事を習慣化しましょう。
寝る前は必ず外して、水を入れた容器(入れ歯洗浄剤)に浸けて置きましょう。


入れ歯(義歯)洗浄の仕方

1.入れ歯(義歯)についた汚れを水洗いします。
2.入れ歯(義歯)専用の磨き粉と歯ブラシを使いブラッシングします。
※研磨剤は傷付けてしまうので、必ず入れ歯(義歯)専用の物を使います。
3.磨き粉などをしっかり洗い落とし、洗浄剤に浸けます。
※洗浄剤は、入れ歯(義歯)を綺麗にするだけではなく保存も可能です。
4.入れ歯洗浄剤をしっかりと水洗いで洗い落とします。
※洗い残しは粘膜の炎症を引き起こす場合があります。

入れ歯(義歯)のお手入れを怠ると、口臭の原因だけではなく、義歯口内炎や誤嚥性肺炎を起こしかねません。

義歯口内炎とは

慢性的な刺激や圧迫で、入れ歯(義歯)があたる部分の粘膜や床縁が、浮腫状に炎症を起こします。

原因の一つとして、真菌類(口腔内に共存する常在菌)が考えられます。また、粘膜面が白っぽくなり、苔状の付着物が見られる事があります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは

食べ物や飲み物・唾液が気管に誤って入ってしまう『嚥下障害(えんげしょうがい)』から引き起こされる肺炎の事を言います。しかし、誤嚥した唾液に含まれる細菌によって引き起こされる場合もあります。

※嚥下とは食事を口に入れ咀嚼(かむ)し飲み込み、食道を通り、胃まで送り届ける流れのこと。

入れ歯(義歯)は、毎日使用する物です。清潔に保つのは勿論の事、使用している時の不快感を無くす事も大切です。

使用している本人が不快感を訴えるのであれば、装着の仕方は正しいのか・入れ歯(義歯)は歯茎に合っているのか・口腔内に疾患はないかなどの確認をしましょう。

また、面倒臭がらずに定期検診を受け、被介護者に合った入れ歯(義歯)を使用しましょう。定期健診を受けることで、口腔内の疾患を予防する事にも繋がります。

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