ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)とは


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ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)とは
介護の世界で一般的に使われる言葉の中に、ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作) があります。普段の生活の中では、あまり馴染みの無い言葉ですが、介護を行う上で必要な知識でもあります。

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ADL(日常生活動作)とは

ADL(日常生活動作)とは、普段の生活の中で行っている行為や行動の事です。

例えば、食事や排泄、移動や整容、入浴などと言った、日常生活を送る上で最低限必要な基本的行動を指します。

簡単に言えば、私達が普段の生活の中で、当たり前の様に習慣にしている行為や行為の事です。

しかし、介護側の視点から言えば、ADL(日常生活動作)がしっかりと行えているのかどうかが、これからの介護の要否や方法を考える1つの判断基準になります。


高齢者のADL(日常生活動作)を考える

ADL(日常生活動作)がしっかり行えている場合、介護の必要性はないと考えられています。

しかし、私達が日常、何の問題も無く普通に行って来ている行動や行為でも、高齢になるにつれ行う事が難しくなってきます。

高齢者のADL(日常生活動作)の一つ一つを観察してみると、『自ら行える事』と『介助が必要な事』がでてきます。

また、それらを毎日観察をしていくと、『昨日はできた』けど『今日はできない』という、時と場合がでてきます。

頻繁にその様な状態が続く場合は、介護の必要性を視野にいれなくてはならなくなります。


IADL(手段的日常生活動作)とは

IADL(手段的日常生活動作)とは、ADL(日常生活動作)よりも複雑で高次な行動や行為を言い、こちらは、物事を考えながら行う事が多く、買い物や洗濯、掃除と言った家事全般や、金銭や服薬の管理、移動手段に乗り物を使用するなどと言った、高齢者にとって困難かつ複雑な行為や行動になってきます。

しかし、IADL(手段的日常生活動作)は日々の生活の中で、毎日必ず行うものではありません。『できる』けど『やらない』場合の方多いのが、IADL(手段的日常生活動作)でもあるのです。『できない』と一概に言い切ってしまう事が難しいため、普段の行動や行為を良く観察する事が重要です。


高齢者のIADL(手段的日常生活動作)を考える

IADL(手段的日常生活動作)が行えているかと言うのは、高齢者が自立した生活を送れるかどうかの判断基準でもあります。

しかし、上記で述べたように、毎日行う事ではなく『できる』けど『やらない』場合もあるため、『できる』『できない』と言い切るのではなく『しているかも』と言う可能性も判断基準として必要だとされています。

可能性がある限りは、要介護と認めることは良くありません。せっかくの自立した生活を壊すことの無い様に、しっかりと観察し把握する事が大切です。


ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)を考える

高齢者の多くは、ADL(日常生活動作)をある程度行えている内は、介護を受けたくは無いと思っています。また、IADL(手段的日常生活動作)は、毎日行うものではないため、生活に支障が無い場合、それを『できない』としても認めようとしない高齢者が多く見られます。

ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)を行えなくなると、今まで当たり前に行えて来た事が行えなくなる事でプライドが傷付き、認めたく無いと言う反発心が生まれる場合があります。

ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)両方のバランスが良く保てていれば、生活の質(QOL)が高いと言えますが、介護で言う生活の質(QOL)とは、高齢者が毎日の生活をイキイキと過ごし、満足しているかを評価する際に使われる事であり、ADL(日常生活動作)ができていたとしても、日常生活に問題があれば生活の質(QOL)が低いと言えます。

しかし、寝たきりの高齢者でADL(日常生活動作)は困難だとしても、本人の意思を尊重した満足の行く介護を受けていれば、生活の質(QOL)は高いと言えるのです。

介護を行う上で、ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)は、要介護の高齢者に自立を促し生活の質(QOL)を向上させるための判断基準であり、介護を受けていない高齢者にとっては、これから介護が必要かを判断する基準でもあるのです。

ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)は、『できる』か『できない』かの二択で介護の要否を判断するのではなく、『できている時もある』『できない時もある』と言った、時と場合の可能性も視野に入れて介護の要否や方法を考える必要があります。

高齢者の自立した生活を優先して考えるには、ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)に加え、生活の質(QOL)も観察し把握する必要性があるのです。

また、ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)の両方とも、『できない』事に目を向けるのでは無く、『できる』『できている』事に目を向けてみましょう。

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