介護スタッフが行う傾聴の効果・コツ


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介護スタッフが行う傾聴の効果・コツ
傾聴とは、簡単に言えば『被介護者の話に耳を傾け良く聴く』ことですが、実際にはそれだけの事ではありません。ただ話を聞くだけなら、誰にでもできる事です。

介護をする上で必要な傾聴は、『被介護者の話に耳を傾け、共感しながら聴く』ことなのです。

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ヘルパーは傾聴の持つ意味を理解する

傾聴の”傾”は字のまま、傾ける事です。
傾聴の”聴”は、聞くとは違い、耳・目・心で気持ちを読み取ると言う意味を含んでいます。

傾聴の本来の意味は、相手の話に耳を傾け、表情や態度を良く観察し、親身になって話を聴くと言う事になります。

また、傾聴で大切なのは、”共感・受容・支持”だと言う事を忘れずに、被介護者の話に耳を傾けて下さい。

共感…被介護者の感情を受け止めます。
注:『可哀想』『何かしてあげたい』という感情は同情であり、優位に立っているので共感ではありません。
受容…ありのままを受け入れ、自分の考えやアドバイスは控えます。
注:『でも』など、話に割り込んだり、腰を折ったり、批判をしてはいけません。
※被介護者の価値観や人生観を大切にします。
支持…被介護者の悩みや不安に対して「私も(誰でも)そうですよ」と支持します。
※共感すると同時に勇気を与えます。


難聴の被介護者の場合の「傾聴」

被介護者の多くには難聴の症状があり、コミュニケーションが上手く取れない場合が多々あります。

しかし難聴であっても、介護者の表情や態度・動きで、気持ちを読み取る事ができています。

傾聴を行う場合、介護者は聴き手に回る事が基本であり、被介護者の話に共感し「そうですね」「うんうん」と親身に聴いてあげる事が大切です。

難聴のために、相手の声を上手く聞き取れず、意思疎通ができない事に不安や孤独を感じている場合もありますので、会話の中で安心感を与えられる様に心掛けます。

また、自尊心を傷つけぬ様、受け応えの言葉遣いには気を付けましょう。


認知症の被介護者の場合の「傾聴」

認知症の被介護者の場合、何度も同じ事を繰り返し話す場合が多くあります。

しかし、「何回も聞きましたよ」と返すのは、被介護者自身を否定しているのと同じです。この場合は、初めて聴く時と同じ様に、親身になって聴いてあげる事が大切です。

同じ話を10回されても、10回とも初めて聴く話として受け応えをします。決して否定しない事が基本です。

また、認知症になると記憶が曖昧になり、過去の若い自分に戻ってしまったり、身内の事が分からなくなってしまったり、、他者を身内だと思い込んでしまう場合があります。

この場合でも、被介護者に「違いますよ」と否定するのでは無く、話を聴きながら、「うんうん」「へ~」と相槌を打ち、共感してあげましょう。

もし、介護者を母親や娘、友達だと思い込んで話をしているのであれば、介護者は被介護者の記憶の中の人物になりきって話を聴き、受け応えをする事も必要です。

被介護者が間違った記憶を持っていたとしても、まずは良く聴き共感してあげる事が大切です。


傾聴の効果

傾聴は、被介護者の精神的苦痛を取り除くと言う意味でも必要な事です。難聴や認知症の高齢者にとって、親身になって話を聴いてくれる人が居ない事は、非常に苦痛で、孤独と不安が大きくなります。

また、老化によって身体の自由が利かず、他人の世話になっている、伝えたい事を上手く伝えられずストレスが溜まっているのに誰も耳を傾けてくれない、などと言った状況では、自信を失い老化が進む一方です。

この様な状況をなくすためにも傾聴を行い、被介護者の精神的負担を軽減する事に努めます。

傾聴を行う事で、被介護者にとって大きな精神的安らぎとなり、進んで会話をしようとする意欲が出てきます。

会話をする事により、被介護者は自信を取り戻し、様々な事を考えることで精神活動が活発になり、イキイキとした日々を送る事に繋がります。


傾聴は利用者の話を聴くだけではない

傾聴は、被介護者の話に耳を傾ける事が基本なのですが、例えば、被介護者が歌を歌う事が好きなら、ヘルパーはその歌声に耳を傾けてあげる事も大切です。

歌を聴き、褒めてあげる事も傾聴の一つだと考えます。
「静かに!」「周りに迷惑だよ」などと注意するのでは無く、歌の中から被介護者の気持ちを読み取る事も重要です。

話の途中で歌を歌い出す事もあるでしょう。そんな時は、笑顔で手拍子などをして被介護者に応えてあげましょう。

会話だけでは無く、被介護者が突発的に取る行動の中にも、何かしらのメッセージがあります。

耳を傾けるだけでは無く、しっかりと目で見て、心を通い合わせる様に心掛けましょう。



傾聴を行う際は、介護者は常に笑顔で受け応えをする様にしましょう。

介護者は、自分だけが親身になっていると思わず、被介護者も親身になって話してくれていると思って下さい。介護者が親身になっていると、被介護者自身も介護者に耳を傾け、目で見て、心で感じる様になります。

表情や態度、声のトーンや手振り身振りに気を付け、被介護者にとって不快にならない様に心掛けましょう。

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