聴覚障害者の利用者とのコミュニケーション方法


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聴覚障害者の利用者とのコミュニケーション方法
聴覚障害者のコミュニケーション方法には、手話や指文字、読話や筆談、補聴器などの方法があります。

手話…手や体の動きなどでコミュニケーションを取る方法
指文字…50音を指の動きで表現する方法
読話…口の動きや会話の前後関係から話の内容を類推する方法
筆談…紙に書いて、もしくはパソコンなどを使って会話をする方法
補聴器…残存聴力を活用する方法

上記は基本的なコミュニケーション法ですが、手話や指文字に関してはお互いに学んでいなければ通用しません。また、読話に関しても、得意とする人不得意とする人がいます。

利用者さんの多くは高齢の方が中心ですので、目が悪くなっている事も予想されます。そうなると、筆談での会話は難しいと考えられます。また、筆談は細かいニュアンスまで伝わりにくいのが難点です。

また、聴覚障害には種類があり、原因や症状が違います。
聴覚障害者の利用者さんと接する場合、その原因や状態を考慮した上でのコミュニケーション方法を考えなければなりません。そのためには、聴覚障害を理解する事が大切です。

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聴覚障害の種類と原因

聴覚障害には、先天的と後天的の2種類があります。

先天的の原因…聴覚組織の奇形であったり、妊娠中のウィルス感染で聴覚系統が侵されてしまった場合
後天的の原因…突発性疾患や頭部の外傷、薬による副作用、騒音や高齢などによって聴覚組織に損傷を受けてしまった場合

また、聴覚障害は部位によって3種類に分類されます。

伝音性難聴…外耳・中耳の障害
・補聴器などで音を大きくすれば比較的良く聞こえる様になる

感音性難聴…内耳・聴神経・脳の障害(老人性難聴の含む)
・音が歪んだり響いたりして、言葉の明瞭度が悪くなる
・高度な補聴器を使用する必要がある

混合性難聴…上記の2種類の原因を持つ


聴覚障害者とは

中途障害者…音声言語を獲得した後に耳が不自由になってしまった人
※全く聞こえない場合でも、話す事ができる人が殆ど

難聴者…聞こえにくいだけで聴力は残っている人
※補聴器を使用すれば聞こえが良くなる人と少しの音しか感じない人まで様々

ろう(あ)者…音声言語を習得する前に耳が不自由になってしまった人
手話を第一言語とする人が殆ど


状態を理解した上でのコミュニケーション方法

利用者さんの殆どは、老人性難聴の方が多いと考えられます。上記に述べた様に、難聴者の場合は補聴器を使用する事で聞こえやすくなる場合があります。但し、老人性難聴には特徴があります。

1.両耳が同じ程度悪い(両側性)

利用者さんの前方やしっかりと視覚に入る位置から、口の形・表情を見せながら話をしましょう。また、右・左の耳で聞こえ方が違うという場合は、聞こえが比較的良い方の耳から話しかけましょう。

2.音や声が聞こえてくる方向が分からない(方向感弁別困難)

話す前に利用者さんに触れ、どちら側から声掛けするか注意を促してあげましょう。また、しっかりと利用者さんの注目が自分に向いているかを確認してから話出しましょう。

3.不快に感じなかった音や声が、ある程度の大きさから突然不快になる(補充現象)

最初から高い声や大きな声で話しかけず、低く太い声でハッキリとした発音で話しましょう。

どんな聴覚障害者の利用者さんと接する場合でも共通して言えるのは、突然話掛けるのではなく、まずは利用者さんの視覚に入り体に触れてあげる事で、自分が何処にいるかを教えてあげる事が大切です。また、いきなり大声で話掛けると不快に感じる利用者さんもいますので、特に初対面で話掛ける場合には注意が必要です。

コミュニケーション方法は、その利用者さんに合った方法を考えなければなりませんので、聴覚障害のタイプがこうだからこうしなくてはならないと言う決まりはありませんし、利用者さんの得意・苦手も考慮しなければなりません。利用者さんによってコミュニケーション方法は違いますので、お互いにの意思疎通が上手く出来るベストな方法を考えましょう。

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