視覚障害者の歩行介助の注意点


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視覚障害者の歩行介助の注意点
視覚障害者は健常者とは違い、どこに誰がいるのか分からない状況で、歩行に関しても段差や障害物などに不安があります。また、視覚障害者は白杖を持ち、周りの状況を白杖や自らの手足などの感覚を使って確認・把握しながら歩行します。

ちなみに視覚障害者が白杖を頭上50センチに掲げている場合、『白杖シグナル』といい何かに困っている時の助けを求める合図です。

では、視覚障害者の歩行介助をする場合、どのように手を貸せば良いのでしょうか。
様々な注意点やポイントがありますが、その人によって変わってきますので、ここでは基本的な事を説明していきます。

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歩行介助を行う場合の注意点

声掛け

声掛けをする場合には、突然体に触れたり衣類を引っ張ったりするのではなく、必ず先に声をかけてから身体などに触れるようにしましす。また、その人に合わせた介助をするためにも、普段どのようにしているか、どのようにすれば動きやすいのかを確認することが大切です。

歩行介助時には、状況に合わせた声掛けをすることも大切です。曲がり角や段差、斜面など道路状況が変わる場合には、その前に声掛けを行います。この時、曖昧な表現ではなく「階段を昇り(降り)ます」や「あと○段です」「あと1段で階段は終わりです」、「上り(下り)斜面になります」などといった様に、分かり易く説明してあげましょう。

危険物や障害物などがある場合も同様に前後左右のどこに何があるかを詳しく伝えましょう。あちら、こちらといった表現は伝わりませんので注意しましょう。


介助者の位置

介助者は視覚障害者の半歩前に位置します。

※狭い場所を歩く場合は、介助者が前になり前後一列で歩行する場合もあります。この場合は、介助者の背中や肩に手を当ててもらいながら誘導します。

基本的には介助者の肘上、もしくは視覚障害者の方が安心できる箇所を掴んでもらいます。この時、白杖を持たない側、もしくは歩行に安全な側を介助者が判断して掴んでもらいます。特に交通量の多い場所や狭い道は利用者がより安全に歩行できるように配慮しましょう。

※道路の溝やエレベーター、電車の昇降などの場合には、声掛けをして知らせた上で介助者が先に進み、立ち止まることで歩幅を知らせます。視覚障害者の方が溝などを超えられる位置で待ちましょう。


歩幅やスピード

歩幅やスピードは人それぞれ違いますので、その人に確認し合わせるようにします。

階段などの段差がある場合は、介助者が一段先に昇る(降りる)ことを告げてから視覚障害者のリズムに合わせて昇降を行いましょう。

※途中で突然立ち止まったり、斜めに進むなどは危険です。リズム良く昇降することが大切です。


視覚障害者の歩行介助のポイントまとめ

まず第一に視覚障害者の方に合わせることが最も重要なポイントです。その人その人で体格やペースが異なってくるため、その人が安全で動きやすい事を考慮する必要があります。介助者のペースに合わせる事は視覚障害者の方にとっては危険で困難です。また、何より不安が大きくなってしまいます。不安をなくすためにも声掛けは細かく分かり易く行いましょう。

介助者は常に二人分の幅を意識し、視覚障害者の方の足元だけではなく頭上なども確認し、尚且、周りの状況も確認・把握しなくてはなりません。特に、人混みや交通量、障害物の多い場所では危険を予測しながら介助しましょう。

視覚障害者の方は、慣れている場所などは頭の中で地図を描きながら歩行できるそうです。これを『メンタル・マップ』というらしいのですが、危険は回避できませんし、その日の状況までは分かりません。介助者がその都度、詳しく状況を説明しながら介助することが大切です。

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