寝たきりの方の体位変換方法(水平移動)


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寝たきりの方の体位変換方法(水平移動)
寝たきりの方は自分の力で体を動かすことができません。
ですから介護をする側(ヘルパー)が身体を動かす必要があります。

ここでは安全、安楽に寝たきりの方の体を左右に移動させたり、寝返りをさせる方法をお伝えします。

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体位変換する前に知っていただきたい重要ポイント

実際に身体を動かす前に安全安楽に動かす、あるいは負担を軽減する為に重要なポイントがいくつかありますので紹介します。


接地面積の縮小

接地面積とは寝たきりの方の身体が敷布団、またはベットマットに着いている部分のことをいいます。

実はこれが体を動かす際に重要なのです。

接地面積が多ければ多い程、体と寝具の間で摩擦が生じ、動かすのに大きな力が必要となります。

逆に言うと動かす前の段階で接地面積を小さくしておくことで楽に動かすことができるのです。


どこを支えるか?

体を動かす際にどこを支えるかによっても大変さの度合いがかなり違ってきます。

先ほども申し上げましたが、接地面積はなるべく少なくした方がいいわけですから、体と寝具が密着している背部と臀部を支えます。

例えば寝たきりの方の左半身側に介助者がいて移動させる場合、介助者の右手は背部上方、左手は臀部を支える形になります。


体を面でとらえる

体を動かす際に支えた場所が支点となりますが、支点となる両腕の触れている面積を大きくしましょう。

例えば手の平だけで支えるよりも手の平から腕全体で支える。さらには介助者の上半身も寝たきりの方に密着させるとより楽に動かせます。


ボディメカニクスの活用

ボディメカニクスとは、力学的原理を利用した介護技術で小さな力で大きな力を生み出し、介助する側だけでなく、介助される側も負担が少なく安全に介助することができます。
体を支える際、介助する側は両足を広げ基底面積を広くとります。次に腰を落として重心を低く構え、対象の寝たきりの方になるべく近付きます。

これらを意識することで安定した力を発揮することができます。


水平移動で体位を動かす方法

それでは上記したポイントを踏まえながら実際に水平移動の体位変換の手順を説明します。

まず寝たきりの方の接地面積を縮小します。
両腕は胸の前で組みます。

足はどちらか片方の足をもう一方の足に乗せます。
次に動かしたい方向に向かって腰の部分を動かし、追って上体を動かします。

あとは組んだ両手、両足を戻して終了です。

左右に動かす場合、上記した方法の他に体をひねる方法もあります。

これは向きを変えるのに必要で、水平移動との大きな違いは移動開始前の準備段階で寝たきりの方の膝を立てることです。

立てた膝を動かしたい方向に押します。

膝を押し倒すと体にひねりが加わり向かせたい方向に背部も浮き上って来ますので、あとは手を添える程度で向かせたい方向に向きを変えることができます。

⇒被介護者の体位変換方法(上方移動)

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