ガイドヘルパーにできること

ガイドヘルパーは”外出介護員”とも呼ばれていますが、正式名称は『移動介護従事者』と言います。

ホームヘルパーでは行えない、利用者さんの外出時のサポートが行えます。
障害を持つ方にとって、外出時の危険回避は困難でありとても重要ですので、ガイドヘルパーは重要な役割と言えます。

ガイドヘルパーになると、障害を持つ方を対象とし、外出（移動支援）に関わる支援を行う事ができます。また、ガイドヘルパーは３つの障害種別に分かれており、中にはホームヘルパーの資格でも行える支援もあります。

１．全身性障害者移動介護事業者
２．視覚障害者同行援護事業者
３．知的・精神者障害行動援護事業者

３の知的・精神者障害行動援護事業者に関しては、旧ホームヘルパー２級以上の資格保有者は行えます。ただし、自治体によっては講習を必要としている所もあるため、確認が必要です。

ガイドヘルパーの業務内容

ガイドヘルパーの基本的な仕事内容は、障害を持つ方が安心して安全に外出する事が出来るようにサポートします。

外出先に制限は無く、映画館や旅行なども含まれています。利用者さんの行きたい場所に連れて行く事で、家で引きこもらない、社会的生活を身に付ける（取り戻す）お手伝いをします。

ただ単に連れて行くだけではなく、様々なサポートをする事がガイドヘルパーのお仕事です。ホームヘルパーと違い、毎回決まった場所とは限りません。時と場合により、サポート内容も変わります。

また、車椅子での移動の場合、公共機関に連絡をし、スムーズに乗り降りができるようにするのもガイドヘルパーとしての大切な役割でもあります。

利用者さんの障害によって様々なサポートの仕方（移動・同行・行動）がありますが、ガイドヘルパーが注意すべき点はどれも同じです。

利用者さんにとって、外出時の安心感と安全な移動が重要になってきます。

全身性障害者移動介護事業者とは

全身性障害者とは…全身の機能障害者（運動も含む）で、四枝麻痺や四肢体幹筋力低下などを含む四肢体幹機能障害を持つ人で、身体障害者手帳１級を持つ重度の障害者。

全身性（脳性麻痺など）の障害を持つ方の外出時のサポートを行います。

車椅子などの福祉用具を必要とする利用者さんの外出時の移動を、安心安全にサポートする事が大切です。

全身性機能障害の利用者さんの中には、１人での外出が困難なため外出を避けている人が多く見られます。

外出先で色々なものに触れて頂き、外出を楽しんでもらえるようにサポートするのも”全身性障害者移動介護事業者”のお仕事の一つです。

視覚障害者同行援護事業者とは

視覚障害者の外出時の援護を行います。

視覚障害者の利用者さんの外出に同行し歩行の介助や誘導（移動に必要な情報提供）、また、排泄や食事などの介護、利用者さんの外出先での必要な援助を適切に行う事が大切です。

移動に必要な情報…段差や階段（エスカレーターなど）、通路の説明（坂道や砂利道など）、信号の色や進む方角など。

※段差と階段は区別する事が大切です。階段の場合は何段あるかの説明も必要です。

ガイドヘルパーが利用者さんの目となり、細かな説明をする事で、前もって危険を回避できる事は多々あります。

他にも、代読や代筆のお手伝いをする事もあります。外出時の移動だけでは無く、外出先での利用者さんの不便を無くす事も”視覚障害者同行援護事業者”のお仕事です。

知的・精神者障害行動援護事業者とは

知的・精神障害を持つ利用者さんが行動する際の危険を回避するために必要な援護を行い、外出時の移動を安心安全に行えるよう介護します。

知的・精神障害を持つ利用者さんの多くは、初めての場所にパニックを起こしたりする場合があります。目的地や道順、目的地での行動などについて、あらかじめ説明をします。

言葉以外のコミュニケーション手段も用いて、パニックを起こさない様に理解させるのも”知的・精神者障害行動援護事業者”のお仕事になります。

ホームヘルパーとガイドヘルパーの違い

ホームヘルパーと同様のサポートを行う場合もありますが、ガイドヘルパーは基本は外出時におけるサポートを重視しています。

ホームヘルパーとの違いを簡単に説明すると、ガイドヘルパーは屋外での支援になります。人と接する機会が増え、様々な危険も多くなります。

また、ガイドヘルパーの場合、利用者さんが毎回同じとは限らず、障害も利用者さんによって様々であり、外出先や支援内容もその都度変わります。

時間も短時間で行うホームヘルパーと違い、長時間になる場合が多くなりますし、利用者さんに付きっきりになる事が殆どです。

利用者さんのやりたい事や行きたい場所を尊重し、安心して外出を楽しんでもらう事が大切です。

ガイドヘルパーは、ホームヘルパーと比べると、まだまだ認知度の低い資格です。しかし、需要度はホームヘルパー同様に高いと言えます。

ホームヘルパーの資格では行えなかった支援をガイドヘルパーがカバーしてくれているとも言えます。