ヘルパーが経管栄養できないって嘘なの?経管栄養のコツ


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ヘルパーが経管栄養できないって嘘なの?経管栄養のコツ
ヘルパーが”経管栄養できない”と言うのは、嘘ではありません。但し、正確には、できるヘルパーとできないヘルパーがいると言った方が良いかもしれません。ヘルパーの資格だけでは経管栄養は行えません。研修を受け認定・登録された者に限ります。

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認定・登録ヘルパーになるためには

・都道府県、または登録研修機関による研修を受けます。
・研修終了認定証を都道府県に提出、登録します。

研修を受け、認定され、登録した者のみが経管栄養を行う事ができます。しかし、介護事業所自体が登録事業者としての申請をしていない・登録をしていない場合は、いかなる場合でも経管栄養を行うことはできません。例え、法改正以前に行っていた場合でも、登録無しに行うことはできません。


経管栄養はどこまで行えるのか?

法改正以前は、経管栄養剤の準備と観察までがヘルパーのお仕事でした。しかし法改正後は、研修を終え認定・登録した者は、経管栄養の注入ができるようになりました。

医師または看護師の指導を直接受け、手順を守り、経管栄養を行う事が大切です。

必ずしもヘルパーになったからと言って、研修を受けなくてはならない訳ではありません。介護事業所と利用者さんまたはご家族で話し合い、必要な場合は担当ヘルパーが研修を受ける必要がでてくるかもしれません。

事業所によっては、経管栄養を行っていない所もありますので、やるやらないは別として、確認しておく事をオススメします。


ヘルパーが行う経管栄養のコツ

経過栄養には、鼻や腹部からチューブで栄養を送る方法があります。ヘルパーがチューブを入れる事は当然ながらできません。チューブから栄養を注入する事がお仕事になります。

経鼻栄養法…鼻からチューブを入れて、栄養を送る方法。
胃ろう栄養法…腹を切り、胃までの通路を作り、チューブを通して直接胃へ栄養を送る方法。
腸ろう栄養法…腸までの通路を作り、チューブを通して栄養を送る方法。

在宅で一般的に多いのは、経鼻栄養法と胃ろう栄養法です。

クレンメ(栄養剤の速度調節をする)はしっかりと閉めた状態で、イルリガートル(栄養剤を入れる容器)に栄養剤を入れます。

ただし、密封されたタイプの栄養剤はイルリガートルは必要ありません。

チューブを繋ぐ際は、曲がっていないか、抜けていないかをしっかりと確認しましょう。また、胃の内容物にも注意が必要です。注入を開始する前に、利用者さんの胃のガスを抜くとともに、できるだけ内容物の有無も確認しておきましょう。

栄養剤や白湯の温度と量には十分注意をします。
チューブの接続や確認が終えたらクレンメを開き、注入を開始します。注入速度は、利用者さんによって異なるため、医師・看護師の指示に従いましょう。

栄養剤を注入している間は、利用者さんの状態を良く観察しましょう。
呼吸状態(息切れ)や顔色、腹痛・吐き気の有無を確認します。

注入が終了したら、クレンメを閉め、チューブとイルリガートルの接続を外し、医師・看護師の指示に従い、適切な用量の白湯を注入しましょう。

後片付けは、使用したものを水洗いし、自然乾燥させましょう。また、1日1回は細菌繁殖を防ぐため消毒液につけるようにしましょう。

注:上記は胃ろうの経管栄養になります。


経管栄養の注意点

・チューブがしっかりと挿入されているか、留置されているかを確認します。利用者さんの呼吸状態や顔色に異常が見られる場合は、注入を即時に中止し、事業所もしくは担当医や看護師に連絡をし、指示を受けましょう。

・利用者さんの体調の変化には十分に注意します。ほんの些細な変化も見逃す事の無い様にしましょう。

・経管栄養での注入による汚れは感染症の原因にもなりますので、胃・腸ろうは特に、周囲を清潔に保つ事を心掛けます。皮膚の状態や出血、痛みなどの異常は無いかを観察しましょう。異常が見られる場合は、介護事業所もしくは担当医や看護師に報告しましょう。

・注入時に利用者さんの状態が変化した場合は、注入を中止し、様子を見ます。状態が治まらない場合は、介護事業所もしくは担当医や看護師に連絡をし、指示を受けましょう。

・注入後の排便の状態を観察し、状態によっては注入速度・温度に注意します。

経管栄養は、利用者さんの健康状態を維持するためにもとっても重要なことです。しかし、ほんの少しのミスにより利用者さんの体調や状態を悪くしてしまいます。それだけ、医療行為を行うと言う事は責任重大なのです。

ヘルパーが医療行為を行う事が許可された背景をしっかりと考え、安全に行う事を心掛けましょう。

利用者さんに異常が見られた場合は、自己の判断で勝手に解決せず、些細な気付きであっても報告をし、医師・看護師の的確なアドバイスを求めましょう。

ヘルパー・事業所・医師・看護師のしっかりとした連携が重要です。しっかりと利用者さん一人一人の状態を踏まえた手順を把握し、いかなる場合でもホウレンソウ(報告・連絡・相談)を忘れずに行う様にしましょう。

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