感覚麻痺の利用者を介護する時の注意点


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感覚麻痺の利用者を介護する時の注意点
ここでは、感覚麻痺の利用者を介助する際に介護職員(ヘルパー)が注意しなくてはならないことをまとめてあります。

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感覚麻痺とは

高齢者である利用者は脳卒中等の脳血管障害による後遺症で半身麻痺等の感覚麻痺の状態になっていることがあります。

例えば右半身が麻痺している場合、健側の手足に比べ筋肉、骨が痩せ細っている状態になります。

一般的に高齢者である利用者の体は健常者に比べて脆く小さな衝撃でも骨折や裂傷を負いやすいのが特徴ですが、麻痺があるとさらに脆く介護する上でも十分な配慮をしないと通常以上にリスクが高くなることを頭に入れておきましょう。

感覚麻痺の利用者を介護する時の基本的な注意点

麻痺側である手足は動かないだけでなく、健側よりも弱っているため痩せ細り、力をいれることができないので、体からだらんとぶら下がっているような状態です。

介助中にどこかに挟めたり、ケガをさせてしまったりするような無理な体勢になっても痛みを感じないため、利用者は痛みを訴えることができません。

通常であればこのような場合になったとしても、利用者の痛みの訴えによりケガをさせる前に気付くことができるのですが、訴えが無いため無理な体勢のまま介助を継続してケガを負わせてしまうリスクが非常に高くなってしまいます。

褥瘡のリスク

麻痺側は感覚が無く、動かすことができないため常に長時間同じ態勢のままになるので一定の場所に圧力がかかりやすく、褥瘡になるリスクが高くなります。そのため介護職員(ヘルパー)は臥床介助や体位変換、オムツ交換等に入った際に意識的に麻痺側をクッションやタオル等で除圧することで褥瘡を防ぐ必要があります。

体位変換やおむつ交換時の注意点

体位変換やおむつ交換の介助をする際、利用者を仰臥位(あおむけ)の状態から左右の側臥位(よこむけ)にするような動かし方をしますが、感覚麻痺の利用者を介助する時には麻痺側を体の下に巻き込んでしまったり、さらにはその状態のまま向きを変えてしまったりすることで、骨折や肩関節の脱臼の恐れがあります。

この場合は動かす際に利用者の健側(麻痺がない方)の方の手で麻痺側の手をしっかり押さえてもらうことと、それでも手が外れて巻き込んでしまう可能性がありことをしっかり念頭に置いて、麻痺側の手の位置を確認しながら行いましょう。

トランスファー(移動)時の注意点

一般的にトランスファーをする際に利用者の両脇から介護者の手を差し込み抱えて動かしますが、感覚麻痺の利用者は麻痺側の肩関節が緩く介護者の手が利用者の脇に引っかからずにすり抜けてしまうということが起きます。

そうなってしまうと利用者を床に落としてしまうことになるので、手がすり抜ける場合も想定して体を抱える必要があります。麻痺側を支えている手がすり抜けても、健側を支えている手でしっかりささえるか、はじめから両脇ではなく利用者の腰から手を回しズボンを掴んで支える方法を取るとしっかりとトランスファーを行うことができます。

ベットから車椅子間や、車椅子からトランスファーをする場合に気を付けたいのが、利用者の麻痺側を車椅子の車輪の間に挟めてしまうことです。麻痺側は力がはいらないため持ち上げた際にだらんと垂れ下がり挟まることが考えられます。

さらには挟まっても感覚がないため気付くことができません。やはり動かす際、動かしている間も利用者の麻痺側を常に注意して動かしましょう。


感覚麻痺利用者の介助「まとめ」

感覚麻痺の利用者の介助では、感覚麻痺そのものがリスクとなるわけではなく、麻痺側の状態理解した上で介助を行うことが大切です。

感覚が無いために一定の場所に圧力がかかりことが多く褥瘡になりやすいこと、利用者の体を動かす際にボディメカニクス両下肢をコンパクトにまとめるのがセオリーですが、麻痺側に力が入らないために麻痺側の手足が垂れ下がり巻き込んだりどこかに引っ掛けてしまいやすいというリスクを充分に考慮して介助に当たりましょう。

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