昼夜逆転した利用者さんの対応策


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昼夜逆転した利用者さんの対応策
高齢者の多くは、不眠や睡眠障害で昼と夜が逆転してしまう場合が多々あります。その理由は、加齢と共に睡眠が浅くなり、中途覚醒が増える事にあります。関節に痛みなどがある場合は特に、眠りの浅さから目覚めてしまう事も多くなると考えられます。

また、認知症の高齢者の場合、神経伝達物質の量が変化する事により睡眠障害になりやすいと言われています。
夜間の眠りの質が悪くなる事で、日中の起きていなければならない時間帯に眠くなってしまい、”日中傾眠・夜間覚醒の昼夜逆転現象”が起きてしまうのです。

昼夜逆転する原因は、自律神経の調整機能が狂ってしまう事にあります。調整機能は、加齢と共に徐々に失われ、認知症になると更に悪化すると考えられます。

人の体内には無意識に作られる”体内時計”があります。通常は日中に活動し、夜は休息するというリズムに沿って生活していますが、自律神経の調節が出来なくなると、この”体内時計”も狂ってしまうのです。

”体内時計”を正常に戻すためには、まず生活習慣を見直す事が大切です。

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昼夜逆転の兆候とは?

・時間に関係無く、外出しようとする
・夜中でも大音量でTVやラジオを付けている
・日中にウトウトする時間が増える
・昼間の活動量が減る

などといった、普段と違った行動や状態には注意が必要です。

生活習慣の改善に努める

昼夜逆転の生活は、まず生活習慣を改善する事が大切です。

・食事は1日3回、規則正しく取る様にする
・夕食後はカフェインやアルコールを控える
・寝つく3時間前から照明を少し暗くする
・就寝1時間前にはTVやラジオなどを消す

昼夜逆転している場合、時間の感覚も鈍っていますので、介護者がしっかりと管理してあげましょう。毎日の日課である事は、決まった時間に行う事が理想です。また、夜間頻尿の場合は、夕食後の水分の摂り過ぎに注意しましょう。

介護者は夜間の過ごし方に気を付けましょう。別々の部屋とはいえ、同じ屋根の下ですので、TVの音量や話し声などの大きさに注意し、眠りの妨げにならない様にしましょう。

昼用逆転した場合のケア

1.日光(朝日)を浴びる

朝日を浴びると覚醒基準が高まり、狂った体内時計の針は正常な状態に戻る仕組みとなっています。
※朝日を浴びるのと朝食は一緒に取る様にしましょう。

2.日中の活動量を増やす

日中の活動量を増やす事により、程良い疲れから夜に休むというリズムを作ります。
※デイサービスを利用したり、散歩に出掛けたりすると良いでしょう。

3.寝る時は部屋を暗くする

寝る時に光があると睡眠を妨げる原因になります。
※暗がりが不安な場合は足元灯などを使用しましょう。

上記の3つを昼夜逆転した場合の基本のケアとしながら、生活リズムを正常に戻す手助けをします。但し、無理強いしてはストレスとなってしまいますので、徐々に戻す様にしましょう。起きている時間帯を1~3時間の間で少しずつずらして慣らしていきましょう。

可能であれば、就寝前に入浴して体を温めてあげるのも良いでしょう。血行が良くなり、より良い睡眠が取れると考えられます。
また、昼間に仮眠を取らせない事も大切です。趣味や興味のある事に夢中になれる環境を整えてあげるのも1つの方法です。

昼夜逆転した方の「薬」での治療法

昼夜逆転の利用者さんで、どうしても生活習慣で改善できず、介護者側の生活にも支障がある場合に薬を服用する場合があります。この場合、専門医の指示に従い、正しい服用法でなければなりません。
高齢になると様々な薬の服用が考えられますので、飲み合わせによっては危険を伴います。安易な考えで市販の睡眠導入剤などを服用させる事もやめましょう。

薬は最終手段と考え、できる限り薬に頼らず、生活習慣の改善と日中の活動量を増やしながらリズムを戻す事を心掛けましょう。

昼夜逆転した利用者様のケア「まとめ」

昼夜逆転している場合、利用者さんが穏やかに夜を過ごせる方法を考えなくてはなりません。そのためには、日中の活動量を増やし、程良い疲れで眠りにつく事が理想的です。自然に改善できる簡単な事ではないため、悪化すれば介護者側の負担も大きくなります。昼夜逆転の兆候が見られた場合は早めに生活習慣の改善に努め、お互いの負担を軽減しましょう。

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