成年後見制度の意味と目的


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成年後見制度の意味と目的
認知症や知的・精神上の障害などで財産管理が行えなくなった方の場合、トラブルに巻き込まれる可能性が高く、社会的なバックアップが必要と考えられます。

そこで成年後見制度は、認知症や知的・精神上の障害などで判断能力が低下している人が、普通に生活を送れるように保護・支援する制度です。

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例えば、悪徳な販売員などから一方的に不利な条件・内容で契約・購入してしまった場合に、制度を利用することで取り消す事ができます。また、不動産購入に関しても、成年後見制度を利用して後見人を決めておけば、本人に代わって契約を公正に行うことができます。

分かり易くいうと、介護保険制度は身体能力の不十分さを支援する制度で、成年後見制度は判断能力の不十分さを支援する制度といえます。

上記の例で説明した以外にも、銀行の口座開設や借り入れの申し込みなども成年後見制度を利用できます。生活を送る上で必要な契約を結ぶ際に、判断能力の低下から不利な契約を結んでしまわないようにお手伝いするのが後見人です。

また、介護保険利用時の契約や施設の入退所・財産管理に関しても制度を利用することで守られます。
後見人は、本人の意思を尊重し最優先に考え、安全な契約ができるように支援します。


成年後見制度の種類

成年後見制度には”法定後見制度”と”任意後見制度”の2つの制度があります。

法定後見制度(法律による後見制度)…判断能力が低下した後に家族などによって申し立てがあり適応される

任意後見制度(契約による後見制度)…本人が判断能力があるうちに備えとして任意後見人を選び、代理権についての契約書を公正証書で結んでおく
※後見人を誰にするかや内容を委任するかについては自由に決めることができる

任意後見人制度で受けられるサービスについては下記の法律に基いています。

第858条 意思尊重と身上配慮義務
成年後見人は、成年後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当っては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない


成年後見制度で受けられるサービス

財産管理

不動産関係…管理・保存・処分など
金融期間との取引…口座開設・借り入れの申し込みなど
定期的な収入出の管理…年金・賃料・税金・社会保険・公共料金の支払いやローン返済など
生命保険関係…加入の手続き・支払い受け取りなど
権利証や通帳などの保管
遺産相続などの協議や手続き


身上監護

住まい関係…契約の締結や支払い
医療関係…健康診断の受診・治療・入院費の支払いや医師からの説明に同席するなど
介護関係…保険などを利用する場合の手続き・リハビリテーションなどに関する契約・支払いなど
施設関係…入退所・情報収集・本人との話し合い・費用の支払いなど

※介護サービスや施設のチェックをし異議申し立てなどを行うことはできます。しかし保証人になったり、手術の同意や拒否に関しては行うことはできません。また、介護保険制度で行っている支援(身の回りのお世話や身体介護など)は行いません。


成年後見制度の目的

成年後見制度の目的を簡単に説明します。

判断能力の低下した方は財産管理や心身監護に多くの不安を抱えています。また、契約等の法律行為を有効にすることが難しく、トラブルに巻き込まれる可能性が多いにあります。その様なことを考慮しながら、本人の意思を最大限に尊重・優先し法律的に保護し支えるのが目的です。

本人が単なる浪費者や性格に偏りがあって財産管理ができない場合については、成年後見制度を利用することはできません。また、本人の財産を本人のために保護するための制度であるため、本人の財産の贈与や貸し付け(寄付も含む)は原則として認められていません。他、投資や投機取引や相続税対策なども原則として行いません。


成年後見制度の理念

1.自己決定の尊重
本人の判断能力に応じて最大限に意思を尊重します

2.残存能力の活用
心身や生活状況に配慮します

3.ノーマライゼーション
成年後見人が選任されても、日常生活に必要な範囲の行為は本人が自由に行うことができます。

適正な”財産管理”と必要な”心身監護”を後見人が支援します。

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