高齢者の弄便の原因と対策


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弄便(ろうべん)とは

弄便とは文字通り便を弄ぶことです。
高齢になると認知症を伴い、正しい判断ができなくなります。

しかし認知症を患っていてもおむつの中に排便をすると違和感があることは感じるのです。

そのため何か判らないけども、その違和感がある状態を気持ち悪いと感じて手で触ってしまいます。

認知症のひどい方になると便で寝具を汚すだけでなく、口に入れて飲み込んでしまうことも少なくありません。

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弄便をする原因

高齢になると食物を噛み砕く咀嚼機能、食物を消化する機能等体の様々な機能が低下し、身体活動の低下や腸の蠕動(ぜんどう)運動の働きが鈍ることから便秘がちになります。

蠕動運動とは消化管などの臓器の収縮運動のことで、内容物を移動させる役割をしている。主に食道から直腸までの運動をいう。(中略)加齢などにより胃の蠕動運動が低下すると、消化に時間がかかるため胃もたれや胸やけを起こしやすくなる。また、大腸の蠕動運動が低下すると便秘になりやすくなる。

※gooヘルスケアより一部引用
http://health.goo.ne.jp/medical/word/155

このような状態のため下剤を常時服用している方も多くいます。
加えて自力でトイレに行けない状態の方も多くなり、正常な排便感覚が無くなってしまう方も出てきます。

これらのことから高齢者では、認知症がなくて自力でトイレに行ける方でもトイレに間に合わなかったり、漏らしてしまうことが増えてくるのです。

認知症の方になると、排便感覚や、排便をするためにはどこに行くのか、どのように処理するのか、排泄物は不浄な物であるといったことも正常に判断ができなくなります。

しかしなぜか分からないけどもお腹が苦しい、なぜか分からないけどもそわそわして落ち着かない等の感覚は比較的に維持されているため、自ら肛門に指を入れて便を取り出したり、それを衣類で拭いたり、場合によっては口に入れてしまったりしてしまいます。

おむつ対応で認知症のある方の場合は、排便をしておむつを交換するまでの間に、排便をしたという認識ができなくても、何か肛門の辺りに違和感があるということは解ります。

それが便であると認識できれば、介助者(ヘルパー等)に排便をしたことを伝えて交換してもらったり、あるいは交換してもらうまで待つこともできますが、これが分からないと自らその違和感を取り除こうとしてしまいます。


高齢者(被介護者)の弄便の対策

弄便をする原因を知った上で、対策を述べていきます。

高齢者は体の機能が低下していることが考えられますから、食物繊維や乳酸菌といった消化を助けるもの、また消化を促すものを食べるようにすると便秘解消につながります。

⇒介護サービス利用者の便秘対策

体内の水分量も若いころに比べて減少しますから、意識して水分を多く摂ることも大切です。

身体活動減少によって腸内の動きも悪くなりますから、腹部マッサージも有効です。

上記のような方法を実践しても必ずしも適切な排便を促すことができない場合には下剤を服用することになりますが、その方にとって適切な種類、適切な量を調整することが重要です。

下剤が効かない場合は言うまでもありませんが、効きすぎることでも、頻回に排便してしまい対応が間に合わなかったり、下痢のような便になることで本人にとっての違和感が増えて、弄便行為に繋がってしまいます。

認知症の方の場合は排便時に興奮したり、多動的になったり、食欲が減少する等のサインが出ることもあります。

日頃から注意深く観察して、このサインが出た時にトイレに誘導するといった工夫も必要です。

これらのことを踏まえた上で、その方の特徴を掴み、こまめなトイレ誘導やおむつ交換をすることで弄便の頻度を減らすことができます。

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