介護オムツのかぶれ対策
介護オムツを着用している方の皮膚トラブルで最も多いのが「かぶれ」ではないでしょうか。そんなかぶれを予防する方法を紹介します。
オムツ交換の時間を見直してみる
まずオムツかぶれ対策で一番は「オムツ交換の時間を見直す」ことです。
かぶれはオムツが長時間密着して蒸れてしまうこと、オムツの中の環境が不衛生な状態である時間が長時間続くことが原因です。
そしてオムツ交換の時間と時間の感覚が長くなりがちなのが夜間です。
ですのでこの時間の見直しが重要になってきます。例えば19時に寝る前にオムツ交換して夜中に0時、4時、起床時の7時に交換するようにします。
そうすると大体3~4時間でオムツが交換されますし、オムツ内も蒸れにくく清潔です。
しかし老人ホームなどに入所している方であれば夜勤のスタッフの方がオムツ交換に入ってくれますが、自宅での介護ではなかなか介助者も寝ている時間ですしなかなか難しいのが現状です。介助者のできる範囲で実践してみてください。
摩擦に気をつける
次にオムツかぶれ対策で大切なのが「摩擦に気をつける」ということです。
高齢者の場合ですと一般の人に比べてどうしても皮膚が弱くなっていますので、おしり拭きやティッシュ、布等での必要以上の拭き取りは摩擦の刺激でかぶれを起こす原因になってしまいます。
清潔に保たないとかぶれるのにきちんと拭き取らなくても大丈夫なのか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、皮膚トラブルのない人の場合、尿のみのオムツ交換はお湯で軽く洗い流したあとでオムツの乾いている部分を軽く抑えるようにするだけで十分です。
過度に拭いてしまったり、洗い流しの際に強く擦ってしまうとかえって皮膚トラブルを起こしかねません。
摩擦に気をつけるということに関連してオムツ交換時にオムツの中に敷いてある尿とりパッドの交換をしますよね。
その時にも実は注意が必要です。
尿とりパッドの交換にも注意する
古い尿とりパッドを外す時に、利用者又は患者の体位を軽く左右に向けただけであとは引っ張って抜き取る、という人はいませんか?
介護の現場ではきちんとした知識を持った職員(ヘルパー)が行っていますのでそういったことは無いかと思いますが、自宅での介護等知識のない方がおむつ交換に関わった際にやってしまいがちです。
この方法ですと抜き取る際におしりにかかる負担というのは大きくなってしまいます。
しっかり体位変換をしながらオムツ交換をするとそういった摩擦は防ぐことができるのですが、介護のプロと違って一般の人が大人を体位変換させるのはなかなか難しいと思います。
赤ちゃんと違って重いですし体も大きいです。
麻痺のある方であれば自力でベッド柵に掴まって体位を変えるというのは更に困難になってきます。
そういう時は一度介護講座に参加してみることをおすすめします。
最近では学校や公民館など様々なところで実施していますし、その頻度も増えているようです。
お住まいの近くで実施されるときは一度足を運んでみてください。プロの方のやり方を見るのが一番手っ取り早いと思いますので。
オムツがその人に合っているのか?
オムツがその人に合っているのか、という点も重要です。
現在ではオムツメーカーも増えていますし、尿とりパッドに関しては数多くの種類があります。
しかしそれだけ種類があるとその人のおしりに合っているのかを見極めるのは難しいですよね。
オムツの凹凸が皮膚に刺激を与えることもありますし、素材によっても肌荒れを起こしてしまうことがあります。
個人差がありますので一概におすすめはできませんが、肌に優しい、というキャッチコピーの物もありますのでまずはそちらを使用してみてはどうでしょうか。
乾燥させることも大切
その他にも乾燥させるということもオムツかぶれ予防では大切です。
最初に述べたようにオムツ内がじめじめした状態が続くのはとても良くないことです。
オムツ交換後にオムツを閉じる前にうちわで風を送ってあげてもいいですしドライヤーを使用するのも有効です。
ドライヤーは必ず弱風を使用しましょう。
強風だと介助されている方も不快でしょうし、やけどの原因にもなりますので注意しましょう。
どちらも夜間には入眠の妨げになり難しいと思いますので日中の時間のあるときに実施することをおすすめします。
最後に既にオムツかぶれてしまった、という方への対応を紹介します。
オムツかぶれてしまったら?
かぶれてしまった方にも上記で述べた方法は有効ですので是非実践してみてください。
他には軟膏も有効です。有名なのはステロイド外用液や非ステロイド外用液、それから保湿剤もいいですね。
最も手に入れやすいのは保湿剤ですかね。
一般の人も普段から使用しているものなので安心して購入することができます。薬局等でも普通に買うことができますがステロイド系は皮膚科に一度相談するようにしましょう。
その人に合った軟膏選びは素人にはどうしてもわかりませんのでかぶれの悪化を防止するという意味で相談は必要になってきます。
治そうと思ったら皮膚への刺激が強くて更にひどくなった、なんてことになったら嫌ですもんね。
いかがだったでしょうか。いくつかオムツかぶれの対策を紹介しましたが、何かを用意しなくても実はすぐに取り掛かれるものが多いのです。
普段の介護の中で少し意識しておむつ交換をするだけで皮膚状態の改善に繋がっていくと思いますよ。