認知症の方の徘徊の原因と対処法


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認知症の方の徘徊の原因と対処法
認知症の症状の一つに”徘徊”があります。傍から見ればただ意味もなく歩いている様に思えますが、”徘徊”する人には、少なからず何かしらの目的がある場合が多いのです。
昔の記憶やその時の気分が”徘徊”と言う形で表に現れる場合や、何かを探している場合など、理由は人それぞれです。

ただ、何かの目的を持って行動したはずが、その目的自体を忘れてしまい、結果として歩きまわる事が多々あるようです。

介護者側にとっては、心配で不安…それ以上に問題行動の一つとして、何とか止めさせなければと言う考えになります。そこで、怒ってしまったり部屋に閉じ込めたりと、逆効果の対応をしてしまう人も少なくありません。

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徘徊の原因は?

認知症になると、必ずしも徘徊が始まる訳ではありません。しかし、昔の記憶が残っていたり、何かに夢中になっていたりした人の多くは、記憶を辿りながら徘徊する場合があります。


徘徊の例

経験した徘徊の話しを3つします

<徘徊例1>
昔、料理人として働いていた認知症の人が、夜中に突然スタスタと歩き回りました。歩き回っている間は、記憶が戻って来ているのか、ハキハキと話し始め、その間に「何をしたいのか?」と質問してみました。すると、「仕込みの時間だ」と…。時間の感覚は無くとも、何をするかと言う目的はあるようです。

<徘徊例2>
朝方に「帰る」と言いながら靴を履いていた認知症の女性や、「散歩の時間」と言い歩きまわってる途中で迷子になる人もいます。何かしらの理由から徘徊が始まり、途中で記憶が失くなり迷い、元の場所に帰れ無くなる事が多いのが分かります。

<徘徊例3>
トイレに行こうと部屋を出て、トイレの場所が分からず家の中を探し歩いて、結果、トイレと言う目的を忘れ、更に部屋も忘れてしまい、ただ歩き回る事になってしまうのです。

徘徊で家の外に出てしまう原因の多くは、その人の過去に関係があるとも言われています。外に出る事が日課だった人に多く見られ、時間などの感覚は無く、思い立ったら行動しています。

なので、夜中であろうと朝方であろうと関係無く、外に出てしまいます。
どうにか徘徊を止めさせたいと言い聞かせても、認知症の人には理解出来ません。その記憶がある以上は徘徊が続くと考えておいた方が良いでしょう。


徘徊の対処法は?

徘徊への対処法は一概にこれとは言えません。何故なら、徘徊する理由がそれぞれ違うからです。しかし、外出して迷子になってからでは遅いので、外に出る出ないに関わらず、認知症状が出始めたら、近隣の人や最寄りの交番に声掛けし協力を得る事は大切です。

また、衣類や靴に名前や連絡先を記入しておくなど、保護された時に分かる様にしておく事が必須です。


徘徊の理由を探る

徘徊が始まった事に気付いた場合は、優しく声を掛け「何をしたいのか?」を聞いてみましょう。この時、無理に部屋に戻そうとすると怒りだす人もいますので、気の済むまで歩かせてあげる事が大切です。

危険を回避したいと部屋に閉じ込めてしまうのではなく、家の中は歩き回れる様にしておくのも良いでしょう。鍵を手の届かない場所に新たに設置したりすると、開く扉を探している内に、本来の目的を忘れてしまい、家の中だけを歩き回るだけで外出を防ぐ事ができます。

また、歩いている間に徘徊の理由を話してくれる人もいますし、見守り観察する事で理由が分かる場合もあります。徘徊の理由が分かれば、新たな対処法も見つかります。


徘徊の理由に合った対処法を見付ける

認知症の人には、止めるように言い聞かせても理解出来ないため、介護する側が合わせる事が重要です。しかし、四六時中付き添うとなると、介護者側の大きな負担となってしまいます。

なぜ徘徊をするのかと言う事を理解し、その徘徊理由に合った対処法を考える必要があります。家の外に出れば落ち着く人であれば一緒に散歩をしたり、家の中だけを歩き回るのであれば、家の中で歩き回っても安全な環境を整えましょう。

例えば、部屋でじっとしていられないと言う理由の認知症の人の場合は、散歩に連れていったり、デイサービスなどを利用すると良いでしょう。じっとしている事がストレスになりますので、体を動かせる状況を作ってあげる事が重要です。無理に止めようとせず、環境を整え見守る事も一つの対処法です。


徘徊に対する考え方を変えてみる

介護する側が徘徊を理解する事でお互いに負担が減ると考えられます。徘徊を単なる問題行動と考えるのではなく、体を動かす事は良い事だと考え方を変えてみましょう。

寝たきりだと、筋力も低下しますし、腸の働きも悪くなります。しかし、少しの運動で解消できると考えれば、悪い事ばかりではありません。家の中なら、外よりは危険を回避できます。『家の中を歩き回るくらいなら良いか』と言う気持ちを持つ事も大切です。徘徊を一種の運動だと考えてみるのも良いのかもしれませんね。

徘徊は、お互いにストレスにならない対処法を考える事が、何より重要な事だと言えるでしょう。

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