介護ベッドの安全対策と近くに用意するもの
安全対策として最初に検討することはその方の状態を把握することです。
ベッド周辺に用意するものは様々なものがありますが、正確に被介護者の状態を把握していないと、逆に不要で邪魔になることもあります。
被介護者の身長、体重、病歴等の身体状況、麻痺や拘縮はどこにあってどの程度なのか、認知症の度合い、残存機能、精神状態に至るまで状態を正確に把握することにより、その方に適したベッド周りを構築することができるのです。
ベッド柵
従来はベッドの両サイドを全て囲った長柵を使用したベッドがほとんどでした。
近年では身体拘束廃止の傾向がありほとんどが短柵を使用しています。
ベッド柵は寝返りをした際に誤ってベッドから転落しないように取り付けるものですが被介護者の状態によって、自立していてほぼ転落のリスクが少ない場合は柵を外したり、短柵を使用する場合には転落しやすいリスクにより頭部側、中央部、足側と3パターンで対応します。
また片麻痺等の方でもL字バーを使用することで残存機能をうまく使いベッドからの立ち上がりや、車椅子への移乗を自立支援することができます。
緩和マット
認知症により誤って転落するリスクが著しく高い方の場合は、転落しやすいベッドサイドに衝撃緩和マットを敷くことで、転落やずり落ちをした場合でもケガが重度化する確率を低くする役目があります。
ポータブルトイレ
高齢になると夜間帯の排尿回数が増えますが、夜間にベッドからトイレまで歩くことは暗闇や貧血等の要因から転倒のリスクが増えたり、排尿をトイレまで我慢することができないという場合にはベッドサイドにポータブルトイレを置くことで、これらの問題を解消します。
歩行補助具
歩行する際に、杖、シルバーカー、車椅子等の歩行補助具を使用する方の場合、大切なのはベッドから立ち上がる際に手の届く距離にあり、片麻痺がある場合車椅子は健側に置くことが必要になります。もう一つブレーキは必ず掛けて置くように注意が必要です。
センサー
転倒のリスクが非常に高い場合には、離床センサーを使用してリスクを回避することもできます。
このようにベッドの近くに用意するものは目的によって様々ですが、やはり一番考えることは、その方の状態を正確に理解し、どのような環境を作り、何を使用したら安全かということになります。
適切なものを用意してベッド周りの環境を整えることで介護する側もされる側も安全な状態にしましょう。