トイレ誘導での排泄からオムツへの移行の判断基準


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トイレ誘導での排泄からオムツへの移行の判断基準
トイレができていた状態からオムツをするのは、被介護者にとって自尊心が傷つき、精神的苦痛でしかありません。

また、オムツにする事によって、自立心を失くす場合もあります。

トイレ誘導からオムツに移行する場合、被介護者の尊厳に関わるとてもデリケートな問題になります。

言葉一つとっても、被介護者が気にする様な事を言ってしまっては、オムツをする事に対し「認めたくない」と言う気持ちが強くなってしまいます。

介護者は言葉一つ一つを良く考え、被介護者に対し何故オムツにしなければならないのかを説明します。

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オムツの種類には、紙パンツ・ネットパンツ・テープ止めタイプがあります。
また、尿漏れパッドなどを使用する場合もあります。

▼紙パンツ
履くタイプ/自力で立てる、寝たままでも交換可能な場合に使用します。

▼ネットパンツ
薄型で通気性が良く洗濯可能/パッドを使用/自力で立てる、寝たままでも交換可能な場合に使用します。

▼テープ止めタイプ
両脇テープ止め/寝たきりの被介護者に使用します。


トイレ誘導からオムツ(尿漏れパッド)にする場合のポイント

尿・便意を捉える事はできるがトイレまでの移動が間に合わなくなった場合

被介護者自身が尿・便意を捉える事ができても、もよおしてからトイレまでの移動が間に合わなくなってしまう事があります。

そんな時、介護者(ヘルパー等)は失敗を責める事なく対処します。
数回の失敗でオムツに移行するのは良くありません。

まずは、尿とりパッドなどを使い、なるべくトイレに誘導してあげる事が大切です。
失敗を責めるのでは無く、成功を喜び合う事が大切です。

尿とりパッドでも、被介護者にしてみたら恥ずかしい事でもあります。
この時介護者は、尿とりパッドを何故付ける必要があるのかを伝える必要があります。

しかし、”単に尿漏れが激しい”や”トイレの失敗が多い”と言う理由では、被介護者を傷付けてしまいます。

被介護者の気持ちを良く考えた上で、尿とりパッドを使用する意図を伝えましょう。


介助があってもトイレまでの誘導が困難になってしまった場合

トイレまでの誘導時の歩行が危険になった場合に、仕方が無くオムツへ移行する場合があります。

この場合も、被介護者の自尊心を傷付けぬ様にオムツを使用する事を伝えなければなりません。

歩行は困難だが立つ事はできるのであれば、履くタイプの紙オムツ・ネットパンツや尿とりパッドを使用します。

尿の量や便の状態によって使い分けると良いでしょう。
尿意・便意を捉えられるのであれば、排泄後は速やかに交換してあげましょう。


寝たきりの状態になってしまった場合

被介護者が寝たきりになってしまった場合は、テープ止めタイプのオムツを使用する事になります。寝たきりの状態でも簡単に交換ができます。しかし、手の自由が利く被介護者の場合、外してしまう事があります。


トイレ誘導からオムツ(尿漏れパッド)にする場合の判断

トイレからオムツにする場合の判断は、一概にこれとは言えないのが正直な所です。

被介護者の身体の状態や性格・尿便の状態・量をしっかり把握する事が重要となります。
まず、失禁が多くなった時にオムツにするかを考える様になるでしょう。

その場合、いきなりオムツではなく、尿とりパッドを使用する事をお勧めします。

もしくは、ネットパンツだと薄型なので被介護者も動きやすいと思われます。
介護者(ヘルパー等)は、被介護者にとって不快感の少ないオムツを選ぶ事も重要です。

歩くことが危険だと判断された場合でも歩くのは危険と言うだけなら、介助があれば動く事は可能と言う事になりますので、履くタイプの紙オムツ・ネットパンツや尿とりパッドを使用します。

交換時に、交換しやすい姿勢や体位になってもらい、逆に介護者が被介護者に手伝ってもらっていると言った感じで対応します。

その事で、多少の自立心・自尊心を保てると考えます。

また、夜間などはテープ止めタイプのオムツで対処したり、下痢などが酷く頻繁に交換しなければならない場合は、テープ止めタイプのオムツに尿とりパッドを付けて対処します。

介護者は被介護者の気持ちを考えつつ、いかに速やかに交換ができるかも同時に考えます。

寝たきりになってしまった場合は、履くタイプの紙オムツ・ネットパンツを使用するよりはテープ止めタイプのオムツの方が交換しやすく、陰部や陰部周りの清拭もしやすくなります。

寝たきりの被介護者のオムツ使用は、不快感や不衛生を失くす事も重要です。

被介護者の性格をしっかり把握し、どのタイプのオムツを使用するかを考える事も大切です。

いきなりテープ止めタイプにしてしまうと自尊心が傷付き、反抗的になってしまう人もいます。

介護者は自分の仕事が増えるから・面倒だからと言う安易な理由から被介護者にオムツをしてしまわぬ様、しっかりと被介護者と向き合いましょう。

また、失敗はつきものですので失敗を責める様な事はしないで、その時その時の被介護者の状態で使い分ける工夫をしましょう。

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