夜間のおむつ外し(いじり)の対処法
被介護者にとって、おむつは不快に感じて当然です。
不快に感じれば、おむつを外し(いじり)てしまうのも分かります。介護者は、被介護者が”何故おむつを外し(いじり)てしまうのか”を考える必要があります。
おむつを外す(いじる)、付け直す、これを繰り返しているだけでは何も改善されず、お互いにストレスとなってしまいます。
まず、被介護者の気持ちを考えながら、様々な方法で対処していきましょう。
おむつ外し(いじり)をしてしまう被介護者の気持ちと対処法
オムツが不快だから取ってしまおう
おむつを不快に感じているのであれば、不快感の少ない薄型のおむつにしたり、日々の夜間の尿便の量や状態を良く観察し、尿とりパッドで対処してみるのも良いでしょう。
おむつのサイズが合っていないから不快
おむつのサイズを合わせ、不快感が無いか観察をしましょう。
おむつのテープが擦れて痛い
おむつのテープが擦れて痛がるのであれば、テープが擦れる部分を保護するか、テープ無しのおむつに切り替えてみましょう。
おむつのテープを外すのが楽しい
おむつのテープを外すのが楽しいのであれば、テープ無しのおむつに替えてみましょう。
かまって欲しい
かまって欲しいのであれば、おむつには問題ありませんので替える必要はありません。その代わり、話し相手になってあげたり、そばに居てあげましょう。
おむつの事では無い、何か別な事を訴えている
オムツでは無い何かを訴えていても、上手く口に出せない場合があります。
会話をする時間を沢山作り、被介護者としっかり向き合いましょう。
以上に挙げた事が全てではありませんし、理由が1つだけとは限りません。
只単に嫌と言う理由だけなら対処のしようもありますが、そうでは無い事もあります。
介護者が考えつかない様な事を思っている場合が多々あります。
介護者(ヘルパー等)は、被介護者の気持ちを組み取った対処をしなければなりません。しかし、気持ちを直ぐに察知する事は難しく、正しい対処法が遅れてしまう事は多々あります。
そんな時、「何でこんな事するの?!」「何が不満なのかハッキリ言って!」などと、介護者自身もストレスが溜まります。
しかし、責めたり・怒ったりしてはいけません。
被介護者(ヘルパー等)は、それ以上のストレスを抱えている事を忘れないで下さい。
夏場は蒸れるとか汗疹が痛い、冬場は乾燥して痒いとか厚着で嫌だなど、季節によって外してしまう被介護者もいます。
その場合は、季節に合わせたおむつを選択する必要があります。
1年中同じタイプのおむつを使用するのではなく、気温・湿気・季節によって替えてあげるのも1つの方法です。
被介護者がいかに快適に過ごせるかを考え、様々なタイプのおむつを試してみましょう。
介護者(ヘルパー)は”どうして?”を考えよう
オムツが被介護者にとってどんなものなのかを考え、”どうして?”そのような行動を取るのかを1番に考えましょう。
昼間はおむつを外す事が無いのに、夜間だけ外すのは”どうして?”、おむつが汚れている訳では無いのに外すのは”どうして?”など、簡単な気付きから考えていきましょう。
気付いた事を結び合わせていくと様々な理由がでてきます。
思いついた理由に対し、1つ1つ地道に対処していく事が大切です。
面倒だ・大変だと考えるのをやめてしまっては、元も子もありません。
被介護者がおむつ外し(いじり)をする理由は必ずあります。
介護者(ヘルパー)は、被介護者の立場になって考えることが大切です。
被介護者の状態を観察し、おむつを替える
被介護者の状態を良く観察し、夜間のおむつを替えてみましょう。
日々の観察で、夜間の尿便の量が少ないのであれば、テープ止めタイプのおむつに拘る必要はありません。
尿とりパッドで対処できるのであれば、数日間切り替えて様子を見てみましょう。
多少失敗があっても、おむつを外す(いじる)ことが無くなれば、それが被介護者にとって不満の無い状態だと言えます。
それでもおむつを外す(いじる)のであれば、別の理由を探り、方法を試してみましょう。また、おむつをしている部分の皮膚の状態や色などを良く観察しましょう。
もしかしたら、介護者が気付かない痒みや痛みなどと言った、何かがあるのかもしれません。
被介護者が、楽しんでおむつを外してしまうのであれば、おむつを替える以外に、他に楽しいと感じる事に目を向けさせたり、おむつの感触に似たものを与えるなどの工夫をしてみましょう。
今まで、トイレで排泄を行っていたのに突然おむつになれば誰だって不快に感じ、精神的にも不安定になるでしょう。
被介護者と向き合い、オムツを外す(いじる)事を理解し・理由をつき止め・正しい対処をすることによって被介護者のストレスを軽減できます。
また、日々の会話の中で、変わった事はないか・嫌な思いをしてないかなど、しっかり耳を傾け感じてあげる事も必要です。
介護者が思っている以上に、被介護者は様々な身体の不自由さにストレスを感じているはずです。