介護施設入居者同士が恋愛している場合の対処法
入居者同士が恋愛している場合、勘違いしてしまいがちですが、恋愛していること自体が問題点ではありません。
問題なのは集団生活の中で風紀を乱すような行動を取ったり、あるいはどちらかの一方的な好意により、好意を持たれた側が迷惑している場合には対処するべき問題となりますが、認知症や精神疾患により混乱していたり、自分達しか見えなくなりそこに固執してしまう場合を除いて精神的に自立している状態で、双方が好意を持っていて、自分達の立場をわきまえている分には問題ではなく、むしろ精神的には日常生活においての意欲向上につながるといったメリットにもなります。
問題となるのは恋愛感情を持った上で他人の迷惑になる行為をする場合なのです。
介護サービス利用者が恋愛することは自然なこと
恋愛は人として生きているうえで当たり前に芽生える感情です。
介護施設に入居している利用者も介護保険の適用を受けていても、脳梗塞後遺症により半身麻痺になっていても、高齢であっても一人の人間です。
施設は集団生活の場ですから、気の合う人、合わない人様々な人達がいる中で気の合う方と知り合い、交流を深めている間に恋愛感情を持ったとしてもなんら不思議なことではなく、むしろ自然なことだと考えられます。
介護サービス利用者が恋愛することによるメリット
高齢者の場合、社会的に孤立していて、高齢による身体の衰えによる活動意欲の低下等から生きる目的を失っていたり、自分の存在価値に否定的な感情を持っていることが少なくありません。
そういった状態の方達が多い中で、誰かを好きになったり、好意を持つといった前向きの感情は精神だけでなく、衰える一方のご高齢者の身体にも好影響があります。
自分のベットから動きたくないといった気持ちが、自分が好意を持っている他の介護サービス利用者に逢いに行こうと行動を起こすことで活動的になりますし、その方との会話を楽しむことで精神活動も活発になります。
介護職員はどのように対処するべきか
介護サービス利用者の本人同士が立場をわきまえて恋愛を楽しんでいる様子ならば、暖かく見守りましょう。
しかしどちらか一方の想いを押し付けていたり、周囲に迷惑を掛けたりといようなことの無いように観察しておくことは大切です。
恋愛等のような事態も、個人の体調の様子観察と同じで、介護職員同士が情報共有して普段から継続的に観察し続けることで、トラブル発展時にも早急に対処することができ、大きな問題に発展する前に改善することができるからです。