デイサービスの仕事内容・流れ
デイサービスとは介護サービスの中で日帰りのもので、利用者の送迎、昼食、入浴がセットになっています。仕事は日勤のみの仕事になります。
デイサービス1日の仕事の流れ(例)
9:00 利用者来所・バイタルチェック・朝の会・ラジオ体操
10:00 入浴・洗濯
12:00 昼食
13:00 昼寝
14:00 記録整理
15:00 レクレーション・おやつ
16:00 送迎
17:00 清掃・各種記録整理
18:00 ミィーティング
デイサービスの仕事1.「送迎(迎えに行く)」
その日のデイサービスを利用する利用者の自宅の位置、利用人数のバランスを考えて迎えに向かう車両の選択、乗せる人数の割り振り、送迎ルートの決定を考えます。
利用人数が多い日には一度迎えに行って連れて来てから再度迎えに行くということもありますし、同じ方向でも迎えに行く時間に差がある場合は車両を別にするといった工夫も求められます。
利用者の自宅に迎えに行った際には、その時の利用者の状態を観察して、家族にいつもと様子が違ったところはないか、前回の利用時から変わったところが無かったかという情報を引き出し、しっかりと把握することも送迎での大切な役割になります。
デイサービスの仕事2.「来所・バイタルチェック」
送迎時、来所時の車の乗り降りは、意外と事故が発生しやすいポイントです。
送迎時には運転手の外に付き添いの介護職員(ヘルパー等)が配置してありますが、一人で数人のデイサービス利用者を見ることになりますので、声掛け、目配りを絶やさず付き添いをする必要があります。
また施設に到着した際は、迎えに行った時は状態が変わり無かったとしても、送迎中に具合が悪くなることもあるので状態の変化は無いか観察すると共にバイタルをチェックします。
デイサービスの仕事3.「朝の会・ラジオ体操」
施設に到着し一通りバイタルチェックが終わると、デイサービスでは朝の会を行います。朝の会を行う目的としては、今日はデイサービスを利用しているということを認識してもらうということと、今日何月何日はこういう日で、過去には○○という出来事があり、このようなニュースがありますという時事的な情報を提供して、季節感や見当識を持ってもらうことで、認知症の予防に努めることもあります。
デイサービスの仕事4.「入浴」
デイサービスでは基本的に午前中の入浴になります。
これは特別養護老人ホーム等の入所サービスとの大きな違いの一つでもあるのですが、通所サービスでは基本的に朝利用者を迎えに行って預かり、夕方に自宅に送り届けることになります。
その過程で利用者に何か異変があった際には家族や担当ケアマネに連絡して対処することになるのですが、ある程度決まった時間に自宅に送り届けなければならないというリミットがあるために、できる限り早い対応が求められるのです。
デイサービスを利用する中で体調に異変が出やすいのは入浴中が一番リスクが高いため、午前中に入浴をする流れになっています。
また入浴をすることによる体調の変化だけでなく、入浴する際に全裸になるので自宅でのケガ等にも気付くことが多いためです。
もう一つは利用者が午前中に入浴した際、脱いだ衣類を洗濯することがあるのですが、午後に入浴してしまうと帰るまでに乾きません。
こういった理由からデイサービスでは午前中に入浴することになっています。
デイサービスの仕事5.「お昼寝の理由と連絡帳の意味」
デイサービスでは昼食後にお昼寝の時間があります。
これはもちろん体力の無い利用者(被介護者)の休養という意味もあるのですが、実はそれ以外に重要な意味があるのです。
デイサービスを利用している利用者には通常サービス利用中の状態を記録する連絡帳というものがあります。
これを見ると利用中の様子や、バイタル等が書いてあり、家族や担当ケアマネ、あるいは外部サービスのホームヘルパーや、訪問看護師と情報を共有できるようになっているのです。
一般的に介護サービス事業所は人手不足が慢性化しています。
デイサービスでもそれは例外ではなく、通常サービスを行っているとこの連絡帳を記録する職員が足りません。
そのため利用者のお昼寝の時間を利用して連絡帳を記録する時間を確保しているのです。
デイサービスの仕事6.「レクレーション」
デイサービスでは1時間程度のお昼寝が終わるとレクレーションの時間になります。
入所サービスでは認知症や寝たきりの方が多い等、利用者の状態が悪いために誰でも簡単にできるものをレクレーションに選びますが、デイサービスでは比較的※ADLが高い状態の利用者が多いため、難易度が高めで活動量が多いものを選ぶ傾向にあります。
※ADLとは主に食事、更衣、移動、排泄、整容、入浴等の生活をする上での基本的な行動のこと。⇒ADLについて詳しく
デイサービスの仕事7.「送迎(ご自宅に送り届ける)」
帰りは特別な理由が無い限り朝と同じ配車、職員配置になります。
帰りの送迎で一番気を付けなければならないのが忘れ物です。
デイサービスは一度利用すると次回の利用は2日後や3日後になります。
そのため忘れ物をすると再度届けに行かなくてはならないのです。
そのことを介護職員(ヘルパー等)も十分に理解しているので気を付けてはいるのですが、帰りの時間に追われて忙しくなったり、利用者自身が別の場所に置いて忘れたりするために結構忘れ物をしてしまうのも事実です。
忘れても支障の無い物であれば次回利用するまでお預かりすることもできますが、薬のように常に使う物であったりすると、家族によってはクレームにつながったりするので注意が必要です。
デイサービスの仕事8.「ミーティング」
帰りの送迎が終わって、施設に帰って来てから車や施設の清掃を済ませ、最後にスタッフが全員集まってのミーティングを行います。
ヘルパーのシフトや、曜日によっては別の介護職員が利用者を迎えに行くこともあり得るので、ミーティングで職員間の情報共有を密にすることは、クレーム等のトラブル回避や、各利用者の統一した対応につなげるために非常に大切です。
デイサービスの仕事内容と1日の流れ「まとめ」
デイサービスの仕事は、早番や遅番、夜勤がある老人ホームと違い、日勤帯だけの勤務ということで初めて介護の仕事を選ぶ方には人気があります。
しかし入所している利用者を扱う老人ホームと違い、デイサービスは、時間内に迎えに行き、家族の要求した時間に遅れずに帰さなければならないという、常に時間に追われた業務になることに加え、在宅サービスの一つであるため家族、ケアマネとの関わりが要求されてクレームも非常に多い仕事です。