料理が苦手なヘルパー必見!訪問介護で料理を作るときのコツ
訪問介護ヘルパーは、利用者さんの身の回りのお世話を決められた時間内に行います。朝・昼・晩と食事を準備する事もあり、献立に悩む事も多々あります。
また、自分1人の担当では無い場合、冷蔵庫の中身を確認して、あるもので料理をしなければなりません。そのため、ヘルパーには料理の知識やバリエーションが求められます。
訪問介護の食事では、ヘルパー自身が利用者さんの体調や病状に応じた、栄養管理と味付け、大きさや固さを調節しなければなりません。
しかし、利用者さんの中には、好みや味付けに煩く食べてくれない人がいます。
しっかりと、利用者さんの好みや性格を把握する事が大切です。
被介護者の栄養のバランスを考える
朝・昼・夜で、主となるオカズを何にするのか考えましょう。
毎日の献立を把握し、同じものが続かない様に工夫します。
注:胃に負担をかける物を夕飯に出すのは避けます。
毎度の食事には、ご飯・お味噌汁・小鉢(野菜中心)や大豆製品(豆腐・納豆など)や乳製品(牛乳・ヨーグルトなど)を必ずセットにし、そこにオカズ1~2品を足す様にしましょう。
肉と野菜・魚と野菜など、どんなオカズにも野菜は必ず付けます。
普段から良く作るお浸しなどは、その都度作ることが大変なので、1回に数回分作り小分けにして冷凍保存して置いても良いでしょう。
大きさや固さ
訪問介護の場合、時間が限られているため、小さ目に食材を切ることで調理時間を短縮できます。
固さは、利用者さんによって違いますので、臨機応変に対応する事が大切です。電子レンジを使用できるのであれば、同時進行で他の料理に取り掛かる事ができます。
料理の味付け
料理をする時に1番に気を付けなければならない事が味付けです。
味には好みがありますが、利用者さんの体調や病状に合ったものにする事が優先されます。殆どの場合、薄味に仕上げる事が多いので、味の薄さに不満を持たれます。
ですから、食材自体の味をか生かした調理法を考える必要があります。甘みのある野菜を砂糖代わりに使うことで、糖分を減らすことができます。
また、食材を煮込むことで味が染みこみ、同じ量の調味料でも、煮込んでいないより味が濃くなります。
食材を生のまま味付けをして保存して置くのも良いでしょう。
被介護者の体調を考え、油分を減らす
高齢になってくると、油分が胃に負担をかけてしまいますので、油分を減らす調理法も大切です。
電子レンジを使用できる利用者宅なら良いのですが、電子レンジが無い場合もあります。
フライパンのみでの調理の場合、油を引かないと焦げ付いてしまいますが、野菜と一緒に炒めることで、野菜から出る水分が焦げ付き防止になります。
料理の見た目を美味しく
料理は、味覚・嗅覚の他に視覚も刺激します。
彩りが良ければ美味しそうだと感じ、箸が進みます。
彩りには野菜を使う事をおすすめします。
野菜は、色が豊富で栄養もあります。
しかし、高齢になると歯や噛む力が弱くなり、生の野菜が固い場合がありますので、温野菜にしてあげると良いです。
特に茎などの固い部分は、食べやすい大きさ・柔らかさに調理してあげたり、別な料理に使用するなど、細やかな気配りが大切です。
細かな気配りで利用者さんに優しい献立を考える
・材料は、型崩れしない程度に小さく切ります。
・魚・肉・野菜のローテーションを作ります。
・味付けは、塩分糖分を控えめにし、味が具材に染みこむ工夫をします。
・野菜の茎の部分などは、小さく切り柔らかく調理してあげます。
・魚の骨は、できるだけ取り除いてから出します。
お浸し…ほうれん草・小松菜・白菜・キャベツ・菜の花・なすなど
葉の柔らかい部分をお浸しにし、茎や芯の部分は炒めものやお味噌汁の具などに使うと良いです。
魚…鮪・鰹・鮭・ブリ・鯖・カレイなど
小骨の多い魚より大骨の多い魚にし、骨を取り除いてあげます。
高齢になると生食は危険(食中毒や誤嚥)ですので、しっかりと火を通したものにしましょう。
肉…しゃぶしゃぶ用の肉・鳥のささ身など
しゃぶしゃぶ用の肉は、薄く小さいので高齢者にとって噛みやすく飲み込みやすいのでおすすめです。
高齢になると脂っこい肉を敬遠しがちです。
しかし、肉はとても重要なタンパク源であるため摂取する必要があります。
バラ肉は脂が多いので、1度湯通ししてから調理すると良いでしょう。
注:肉や魚は、中までしっかりと火が通っているか確認します
毎日出すものは作り置きにする
お浸しやお味噌汁は1度に数回分作り、小分けにして冷凍か冷蔵保存にして置き、レンジで解凍・温めるだけにして置くと時間短縮にもなりますし、その分他の事に手を回せます。また、ご飯も同様に数回分を小分けにし冷凍保存にして置くと良いでしょう。
余った食材はしっかりと保存する
利用者さん宅の食材を使用しますので、保存方法に気を付けましょう。
一回分の材料しか使わない場合、余った食材は次回に使用する事になります。
余ったからと言って捨ててしまったり、腐らせる様な保存の仕方はいけません。しっかりとラップやジップロック・タッパーなどを使って保存します。肉や魚は、1回分づつ小分けにし冷凍保存にしましょう。
また、賞味期限や消費期限を把握し、鮮度が落ちやすいものから調理する様に心掛けましょう。