訪問介護事業所の仕事内容

訪問介護事業所は、身体・精神上の障害があるために、日常生活を営むのに支障がある方に対して、日常の生活（身体介護・生活援助）の援助を行っています。

援助を行うに辺り、『訪問介護計画』を作成し、利用者さん本人やご家族の希望や目標、介護実施方法や介護の際の留意点について細かく話し合い、意向に沿った計画を立てます。

訪問介護員（ヘルパー）は、この介護計画に基づいた援助を行わなければなりません。

ここでは訪問介護事業所の主な仕事内容と役割をお話しします。

訪問介護計画の作成

訪問介護計画は、ケアマネジャーが作成するもので、利用者さん本人やご家族との話し合いの元で作成されます。

今ある利用者さんの状況や環境を確認し、訪問時のサービス内容の希望を聞き、介護保険適用内もしくは適用外の事柄もあるのかを確認し、状況に合わせた内容で作成し、それに合った時間や訪問回数を決定します。

また、介護をする上での留意事項を細かく話し合い、訪問介護員（ヘルパー）に対して指示をします。

訪問介護計画の作成が終了したら、利用者さん本人やご家族に、分かりやすく丁寧にサービス内容の説明をし、受けられない（提供できない）サービス内容についてもしっかりと伝えます。

訪問介護事業所（サービス責任者）が行う業務

訪問介護事業所は、従業員（ヘルパー）の管理と業務の管理を行わなくてはなりません。
そのため、従業員（ヘルパー）に対しては、法律で定められている運営に関する規則を厳守させなければなりません。また、一方では、サービス責任者としてのやらなければならない業務があります。

訪問介護事業所では、担当訪問介護員（ヘルパー）などに業務日報を記入して貰う事で、利用者さんのその日その日の状況を把握すると共に、定期的に確認のためお伺いします。
また、介護保険適用内での訪問介護計画であれば、適用内のサービスであるかの確認も必要です。

適用外のサービスを強要されている場合は、利用者さんやご家族と話し合い、訪問介護計画を変更しなくてはなりません。

訪問介護事業所のサービス内容

１，身体介護

・入浴介助…入浴ができる利用者さんの場合は、入浴のお手伝いをしますが、困難な方は清拭などをします。
・通院介助…通院している利用者さんの場合、通院の手伝いをします

２．生活援助

・調理…利用者さんの食事の用意をします（ご家族の分はありません）
・洗濯…利用者さんの衣類の洗濯をします（ご家族の分はしません）
・掃除…利用者さんの居室の掃除をします（庭や敷地など、利用者さんの居室以外は行いません）
・買い物…利用者さんの日常生活で必要な物品の買い物をします（預金・貯金・引き出し・預け入れは行いません）

サービスは、利用者さんに対して行うものですので、ご家族と同居されている場合であっても、利用者さんに関する事のみ行います。

医療行為と見なされる事柄に関してのサービスは、利用者さんから強要されても行ってはいけませんので、訪問介護員（ヘルパー）には厳重に注意する必要があります。

また、医療行為なのかどうなのかと言う判断が難しい場合に関しては、訪問介護員（ヘルパー）の自己判断に任せるのでは無く、事前に指示する必要があります。

また、爪切りやバイタルチェックに関しても、全ての利用者さんに行うのか、決められた利用者さんのみに行うのかを事前に指示をする必要があります。

訪問介護事業所の訪問介護員（ヘルパー）の管理

訪問介護事業所では、訪問介護員（ヘルパー）の管理を徹底しなければなりません。

決められた時間にお伺いしているか、限られた時間内に訪問介護計画通りのサービスができているのか（終えているのか）、利用者さんとの間に問題は無いかなどを把握し確認します。

また、１日の訪問件数に無理は無いか、訪問介護計画のサービス内容に無理はないかなども含め、訪問介護員（ヘルパー）の相談にのり、話し合います。

また、訪問介護員（ヘルパー）が利用者さん宅にお伺いしてから、何かしらの問題があった場合に、素早く対応できる様にしておかなければなりません。

訪問介護事業所は、利用者さんと訪問介護員（ヘルパー）の状況を把握し、適切な対応と訪問先を決めなくてはなりません。

また、訪問介護員（ヘルパー）がサービス内容をしっかりと行えているのかを確認し、行えていなければ訪問介護事業所側の責任になりますから、研修もしくは指導する必要があります。