ターミナルケア(終末期ケア)の注意点と利用者の家族への対応


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ターミナルケア(終末期ケア)の注意点と利用者の家族への対応
人は、生まれた時から死と向かい合わせに生活をしています。これは、どんなに健康な人であっても同じです。しかし、普段から死を意識しながら生活を送る人は少ないでしょう。

それが、介護を必要とする様になると否応無しに深く死を意識する様になります。
死を意識した時、利用者さん自身、そしてご家族も穏やかに過ごしたいと考えるのが普通の心理だと考えます。そこで生まれたのがターミナルケア(終末期ケア)です。

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ターミナルケア(終末期ケア)とは

ターミナルケア(終末期ケア)とは、死期の迫った(一般的には6ヶ月以内)利用者さんに対して、苦痛なく穏和を中心としたケアをし、穏やかで静かな日々を過ごしてもらったり、やり残した事ができる状態であれば実現したりなど、残された日々をご本人の意思を優先しながら充実して過ごせる様に援助する取り組みです。

医療的な関わりも重要ですが、延命を第一目的としているものではありません。ですので、利用者さんの人権・意思を尊重する事が大切です。

また、利用者さんだけではなく、ご家族の不安や孤独、悲しみなどと言った、心のケアにも目を向ける必要があります。


ターミナルケア(終末期ケア)の重要な3つのケア

ターミナルケア(終末期ケア)は、利用者さんやご家族の希望により病院か自宅などを選ぶ事ができます。
ここでは、自宅で行う場合について説明していきます。


身体面のターミナルケア(終末期ケア)

身体面と言うのは、利用者さんの清潔保持に努める事を指します。
清潔を保持する事で、精神的な安らぎを与えます。ですので、利用者さんの身体は最後まで清潔に保つ事が大切です。但し、入浴は疲労が激しく身体への負担が大きいため避けましょう。清拭による清潔保持が主になります。しかし利用者さんの中には、清拭すら苦痛に感じる場合があるかと思います。できるだけ苦痛なく、そして満足感が得られる清拭方法を考えてみましょう。

最後の最後まで”精一杯の感謝と愛”を込めて、利用者さんの肌のぬくもりを感じつつ、そして介護者(ご家族)のぬくもりを伝えつつ優しく丁寧に拭いてあげましょう。可能な限り、毎日行うのが理想です。


精神面のターミナルケア(終末期ケア)

今までの人生が満足いくものであったとしても、最期に嫌な思いをしてしまっては悔いが残ってしまいます。そんな気持ちのまま過ごして最期を迎えるなんて、身体の苦痛より辛いかもしれません。

ですので、精神面のターミナルケア(終末期ケア)では、利用者さんが『満足感を抱いて悔いなくこの世と別れられる』ようにしてあげなくてはなりません。そのためには、介護者(ご家族)は、利用者さんに身も心も寄り添い、できるだけ一緒に過ごす時間を作り、話しかけたり聞き手になったりしながら、穏やかな時間を過ごしましょう。

いくら歳だとはいえ、死を受け入れるのはとても辛い事です。だからと言って、「死」という言葉をタブーにするのでは無く、利用者さんに死を受け入れてもらう事も大切です。「死は誰にでも平等に訪れる事」そして「利用者さんが歩んで来た人生がどんな充実したものだったのか」などを、尊敬と愛情、そして感謝を込めて話し、認め合う事が重要です。

『自分はもう必要のない人間だ』と思わせる事が1番あってはならない事です。
『幸せな最期を迎えられた』『自分の歩んで来た人生は幸せだった』と感じながら旅立ってもらうのが、私達残された者が利用者さんに送る最大限の愛情と感謝だと考えます。


身体の苦痛を和らげるターミナルケア(終末期ケア)

最期だからこそ苦痛を和らげ安らかな日々を送って欲しいというが願いです。
痛みの軽減は、専門医の指示のもと鎮痛薬などを与えます。できるだけ痛みが襲う前に投薬してあげるのが理想です。

呼吸困難の軽減には、専門医の指示に従いたん吸引を行います。酸素吸入をする場合もあります。


ご家族へのケア

ターミナルケア(終末期ケア)とはいえ、四六時中ご家族が付きっきりという訳にはいきません。買い物や用事がある時間帯にヘルパーを頼む場合もあるでしょう。少しの時間の息抜き(死を忘れる)と言った意味もあると考えると、ヘルパーはしっかりと援助できる人でなければ、ご家族も心休まる暇がありません。

ヘルパーは、利用者さんの事を考え援助する事が1番重要ではありますが、ターミナルケア(終末期ケア)ではご家族の気持ちをくみ取る事も重要です。しっかりとご家族の意思を引き継ぐ援助を心掛けましょう。

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