特別養護老人ホームの仕事・流れ
特別養護老人ホームでは介護職員が早番、日勤、遅番、夜勤とシフトを組んで1日を回しています。
日勤については無い施設もあり、通常は3交代で業務を回しているのが一般的です。日勤帯の早、遅、日勤は8時間勤務、夜勤については2時間の休憩があるものの16時間勤務になります。
おおまかな介護現場での一日の仕事の流れ(例)
7:00 朝食
8:00 臥床介助
9:00 排泄介助
10:00 水分補給
11:00 離床介助
12:00 昼食
13:00 臥床介助
14:00 排泄介助
15:00 おやつ
16:00 離床介助
17:00 夕食
18:00 臥床介助
19:00 排泄介助
20:00 就寝前薬服用介助
22:00 排泄介助
4:00 排泄介助
5:00 洗面介助
施設によって若干の違いはありますが、特別養護老人ホームの仕事の流れは、だいたい上記のようなタイムテーブルになります。
若干の違いというのは特別養護老人ホームによって現場の配置人数、運営方針、施設の造り等によって時間が前後したり、介助の回数が違ったりというようなことがあるのですが誤差の範囲です。
上記のタイムテーブルが基本となりますが、その外に、入浴介助、リネン交換、レクリエーション活動、洗濯業務、各種記録、清掃業務、ミーティング、ナースコール対応、買い物代行、夜間では巡視等があります。
特別養護老人ホームの仕事1.「離床・臥床介助(がしょうかいじょ)」
近年の特別養護老人ホームでは利用者の重度化が進み、全体の利用者の60%にあたる30人程度は自力にて起き上がりや自分で寝ることができません。
そのため介護職員(ヘルパー)による介助で起き上がり車椅子にて食堂まで誘導し、食事後には居室に誘導して介助でベットに横になっていただきます。
特別養護老人ホームの仕事2.「食事介助」
自力で食事を摂れない利用者(被介護者)や、体力が無く途中で疲れてしまう方の介助をします。
しかし認知症があり口を開けない利用者や、食事を認識できなく拒否のある方もいます。
食事を摂らないと体力低下にもつながり、飲み込みがうまくいかないと窒息事故に至る等、経験を積まないと非常に難しい介助です。
特別養護老人ホームの仕事3.「排泄交換」
オムツ交換とトイレ誘導が主な業務です。
その他比較的少数ではありますがポータブル介助や差し込み式便器、尿瓶や尿器による介助も含まれます。
特別養護老人ホームの仕事4.「入浴介助」
施設によって多少差はありますが、一人の利用者は週2回の頻度で入浴します。
基本月曜から土曜までの6日間を午前と午後に分けて8名程度ずつ区分されています。
浴槽は大きく分けて大浴場のような一般浴層と一人用の訓練浴、ストレッチャーに寝たまま入浴できる機会浴の3種類に分けられていて、それぞれの状態に合わせたタイプの浴槽に入ります。
ヘルパーは主に洗身、洗髪を行い浴槽に入れる入浴介助担当の職員と、衣類の着脱を担当する職員がペアになり業務を行います。
入浴介助は利用者が全裸になりますので、事故のリスクが非常に高い介助です。
特別養護老人ホームの仕事5.「リネン交換」
特別養護老人ホームでは、1週間に1度寝具を交換するリネン交換では、枕カバー、シーツ、ラバーシーツ、包布、布団カバーの4種類のリネンを交換します。
基本的には2人一組で行い、ベットを1日2~3部屋ずつ行って、一週間で全ての利用者のリネンを換えます。
特別養護老人ホームの仕事6.「レクリエーション活動」
特別養護老人ホームでは、午後の14時から15時までの間の1時間を利用して週3回程度の割合でレクリエーション活動を行います。
活動内容は風船バレー、ボーリング、玉入れ、輪投げ等のゲームや、カラオケ教室や書道クラブ、リハビリ的要素も持った貼り絵、塗り絵、等多岐にわたりますが、高齢な利用者や認知症の方でも参加できるよう簡単なレクリエーション内容にしているものが多いです。
その他に、特別養護老人ホームでは、外部から慰問を招いたり、希望外出等の行事を企画したりすることもあります。
特別養護老人ホームの仕事7.「洗濯業務」
特別養護老人ホームでは、基本的にはリネン交換の際と入浴の際に洗濯物を回収して洗濯をします。
失禁や嘔吐、食べこぼしについてはその都度洗濯しますが、1日の入浴者数が20人程度になり、それに加えて汚物等やリネン類も加えるとかなりの洗濯物量になります。
特別養護老人ホームでは、洗濯機はほぼ1日中使用しており、その都度消毒、洗濯、乾燥のサイクルを回していきます。
その日の洗濯業務担当者が配置されますが、他の通常業務も並行して行うので業務の合間を見て、洗濯業務を対応します。
洗濯物の量が多いので利用者(被介護者)の名前を見て区分けしてたたむことにかなりの時間を要する仕事です。
特別養護老人ホームの仕事8.「各種記録」
特別養護老人ホームでは利用者を管理するにあたってかなりの記録が必要になります。
食事の量をチェックする食事表、水分の量をチェックする水分表、排泄を記録する排泄表、体温、血圧、脈、場合によっては血糖値や血中酸素飽和度を記録するバイタル表等があります。
また一日の主な業務や出来事をまとめた日誌の外に、各個人ごとにケース記録があり、これらをその都度記入していきます。
新しい特別養護老人ホーム施設ではパソコンにてデータ化しているところもあり、その場合はパソコンに入力する作業になります。
特別養護老人ホームの仕事9.「清掃業務」
廊下や居室の床拭き、トイレ掃除、窓拭き等通常は清掃業者に委託するような仕事も施設によっては介護職員(ヘルパー)が行うケースもあります。
その他浴室清掃、利用者の床頭台整理、ごみ集め、車椅子清掃等のお仕事もその都度行います。