訪問介護先がゴミ屋敷だった時にヘルパーが注意すること
訪問介護先は、様々な環境や状態だったします。
綺麗に片付けられたお宅もあれば、ゴミだらけのお宅もあります。
しかし、私達がゴミだと思っているものが利用者さんには大切なものだったりしますので、無闇に捨てる事はいけません。
利用者さん宅にあるものは、全て利用者さんの所有物だと思って下さい。
訪問先のゴミ屋敷の度合いにもよりますが、利用者さんの健康に害を及ぼすくらいなのであれば、事業所が事前にご家族なり福祉事務所と話合い、専門業者を頼んで掃除をしているはずです。
もし、ゴミ屋敷の状態のまま訪問と言われているのであれば、介護保険内で片付ける事が目的の場合があります。
介護保険内で片付けるとなると、訪問しているヘルパーは、通常より大変な作業になりますが、掃除をする事も介護の一つですので、根気よく片付けをしましょう。
もしくは、利用者さん自身に片付ける意思が無ければ、その状況を受け入れて訪問するほかありません。
ゴミ屋敷にお伺いする場合にヘルパーが準備するもの
ゴム手袋・マスク・ビニール袋・スリッパ・輪ゴムなど
あまりにも酷いゴミ屋敷の場合は、失礼を承知の上でゴム手袋やマスクを着用します。
また、足の踏み場も無いくらいでも、土足ではあまりにも失礼ですので、ヘルパーはビニール袋を履き、足首を輪ゴムで止め、スリッパを吐いてお邪魔します。
訪問介護は時間が限られていますので、利用者さんが普段良く使用する場所から中心に片付けをしていく様にしましょう。
介護計画に沿った内容を時間内に行う事が難しい場合は、責任者に相談し、最低限の片付けが終わるまでの計画を立て直して貰う必要があります。
虫除けスプレー・消毒液など
必要であれば、事前に虫除けスプレーをしてから利用者さん宅にお伺いします。
また、利用者さん宅から出たら、消毒液などで肌の露出している部分を消毒し清潔にしましょう。決して、利用者さんの目の前で使用しない様にして下さい。
ゴミ屋敷の程度にもよりますが、虫が沢山いる場合もありますし、埃で肌が痒くなったりもします。
ヘルパー自身も害が無いわけではありませんので、ある程度の予防は自らしましょう。
ヘルパーは利用者さんの了解を得てから掃除を始めましょう
生活援助は、ヘルパーが利用者さんの生活に関するお手伝いをする事です。
その中の一つが訪問介護先の利用者宅の掃除ですので、計画に組み込まれていれば、どんなゴミ屋敷であろうが掃除をしなくてはなりません。
訪問したと言う事は、事業所と利用者さん、ご家族の間で話がまとまっていると思われます。通常の利用者さんと同じ様に、声掛けを行いながら掃除を始めましょう。
利用者さん宅にあるものは、利用者さんの所有物とみなし、ヘルパーは断りなしにゴミ扱いしてはいけません。
ゴミだなと思っても『○○さん、これは必要なものですか?』と聞いてみましょう。
この時、『これは捨てても良いですか?』と捨てるのを前提に聞いてはいけません。
利用者さんにとっては、そのものがゴミではない場合があり、不快な気分にしてしまう恐れがあります。
必要であれば、ダンボールなどの収納できる物をいくつか用意して頂き、そこに利用者さんと共に収納していくと良いでしょう。
ゴミ屋敷を片付ける場合は、できる限り利用者さんにも協力して頂きながら行う事が理想です。
ヘルパーは台所は衛生的に保つ工夫をしましょう
生活援助の中に食事が組み込まれている場合は、台所が不衛生では食中毒の危険があります。利用者さんに掃除をする事を伝え、必要最低限の衛生的な環境を整えましょう。
台所にある食品の賞味期限や消費期限の確認をしましょう。
冷蔵庫や冷凍庫の中身を確認し悪くなっているものがあれば、利用者さんに報告し、破棄して良いか確認します。
いくら悪くなっているとは言え、利用者さんの了解無しに、勝手に捨ててはいけません。
もし、捨てることを拒否された場合は、事業所や責任者に報告をしておきましょう。
台所を全部片付けるのは時間的にも無理がある場合は、必要なものや必要な所のみを取り敢えず片付け、少しずつ計画を立てながら片付けて行きましょう。
利用者さんに片付ける意思が無く、拒否される場合
利用者さんによっては、掃除をしなくても良いと言う方がいます。
その場合の対応としては、台所だけでも衛生的に保つ様に心掛けましょう。
利用者さんに『お食事の用意しますので、少しだけ片付けますね』と声掛けをしましょう。
これでも拒否される様でしたら、『火の近くだけ、危ないので片付けておきますね』などと、断りましょう。
片付ける気のない利用者さんですと、とことん拒否する場合が多いですが、根気強く向き合いながら片付けていくか、その状況を受け入れるしかありません。
あまりにも不衛生で、火災などの危険性がある場合には、事業所や責任者に相談をし、解決できる方法を考えなくてはなりません。
しかし、事業所で対応してくれないとなると、その状況を受け入れるしか方法がない事も念頭に入れておきましょう。
必ずしも綺麗にしたいと願う利用者さんばかりではありませんので、ゴミ屋敷ならではの援助方法を考える必要が出てきます。